2019.10.02 13:28Nation

周辺海域、前夜に漁船=自治体や漁業関係者、北のミサイル発射に憤り

ミサイル発射を受け、危機管理連絡会議を開いて情報共有を図る島根県職員=2日午前、同県庁

ミサイル発射を受け、危機管理連絡会議を開いて情報共有を図る島根県職員=2日午前、同県庁

 北朝鮮から発射されたとみられるミサイルが2日、島根県島後沖の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。周辺海域は操業する日本の漁船も多く、前夜まで付近を航行していた船もあった。「たまったもんじゃない」。ミサイル発射の暴挙に、自治体や漁業関係者からは怒りと不安の声が上がった。
 島根県はミサイル発射の一報を受け、自治体や漁協などから情報収集を急いだ。午前9時前までに漁船や水産高校の練習船、隠岐諸島と本土を結ぶ定期船などの安全が確認され、記者団の取材に応じた丸山達也知事は「北朝鮮に対して、同盟国と連携して毅然(きぜん)とした態度で対応してもらいたい」と政府に求めた。
 定置網漁などを行うJFしまね美保関支所(松江市)の職員(45)は「生活しないといけないから、『ミサイルが落ちたら困る』といって漁に出ないわけにいかない」と困惑した様子だった。
 鳥取県は9時半から情報連絡会議を開き、県や県警本部、自衛隊の担当者らが出席。平井伸治知事は冒頭、「このような暴挙は言語道断」とミサイル発射を強く批判し、関係機関との連絡などを徹底するよう呼び掛けた。
 鳥取県沖合底曳網漁業協会の船本源司会長(65)は「島後沖には昨晩までうちの船がいた。主漁場をミサイル発射実験に使われたら、たまったもんじゃない」と語気を強めた。カニ漁のシーズン到来を控え、「ミサイルが発射される中、漁場を確保しなければならないのは危険」と怒りをあらわにした。
 一方、東京・市谷の防衛省では幹部会議が開かれ、職員が情報収集に追われた。ある制服組の幹部は「明確な意図は分からないが、最近のケースと落下地点が異なる。さらなる情報収集と分析が必要だ」と話した。
 別の幹部は「米朝実務者協議での交渉を有利に進めるためのけん制ではないか。台風も近づいているので、協議前は今日しかなかったのかもしれない」と発射のタイミングを指摘した。その上で「EEZ内に落とすことで、日本の反応をうかがうという狙いもあるのではないか」と話した。(2019/10/02-13:28)

2019.10.02 13:28Nation

Japanese Fishermen, Officials Enraged over N. Korea's Missile Firing


Japanese fishermen and officials voiced anger and anxiety over North Korea's firing of a ballistic missile on Wednesday that fell into waters where many Japanese fishing boats operate.
   The North Korean missile is believed to have dropped into waters in the Japanese exclusive economic zone off the Sea of Japan coast of Shimane Prefecture, western Japan, the Japanese government said.
   "Our ships were operating there until last night. It's unbearable that our main fishing area is used for missile testing," said Genji Funamoto, 65, chairman of a trawl fishing cooperative in neighboring Tottori Prefecture.
   With the season of crab fishing approaching, Funamoto said angrily, "It's dangerous to secure fishing areas while North Korea launches missiles."
   A 45-year-old Japan Fisheries Cooperatives official in Shimane said, "We can't choose to refrain from going fishing because we have to live."

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