ＳＮＳで「無党派層」にアピール　都議選へ発信強化―都民ファ顧問・乙武氏

　地域政党「都民ファーストの会」顧問でＳＮＳ戦略を担当する作家の乙武洋匡氏（４８）は、時事通信のインタビューに応じた。乙武氏は「ＳＮＳの発信で、投票先を決めていない無党派層の選択肢（の一つ）になりたい」と話し、都議選（６月１３日告示、２２日投開票）に向けてユーチューブなどでの発信を強化する考えを明らかにした。
　選挙とＳＮＳを巡り、昨年の都知事選や兵庫県知事選などで関係者への誹謗（ひぼう）中傷や誤った情報の拡散が問題となった。
　乙武氏は「都民ファは発信する情報が正確かどうかを徹底して確認している」と強調。ＳＮＳの影響力を踏まえ、「利用者も情報が本当なのか疑うことを意識する必要がある」と指摘した。
　都民ファはＳＮＳに関する取り組みとして、ユーチューブで都民ファが取り組む政策を解説したり、特別顧問の小池百合子知事が出演する番組を配信したりしている。
　一方、乙武氏は「ＳＮＳでのやりとりがギスギスして、政治に触れるのが怖いという印象を持つ人が多くなっている」と分析。無党派層からの支持拡大に向け、「都民ファは考えの違う人とも建設的な討論をすることを伝えたい」と訴えた。
　都議選を見据え、昨年の都知事選で２位に食い込んだ前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が新党を設立。ただ、１月の記者会見で石丸氏は「党として実現する政策はここでは出さない」と表明した。乙武氏は「われわれが打ち出したいのは政策で、石丸新党とは逆だ」とし、政策本位で選挙戦に臨むことで差別化を図る考えを示した。
　ＳＮＳは国政選挙でも影響力が増しており、昨年の衆院選では効果的に活用した国民民主党が躍進した。乙武氏もＳＮＳを通じ、「新鮮味も安定感も出し、都民に寄り添った政策を実現してきたことをアピールしたい」と語った。（2025/01/26-07:07）

Tomin First no Kai (Tokyoites first group) aims to reach undecided voters in this summer's Tokyo metropolitan assembly election using social media, Hirotada Ototake, adviser to the regional political party, said in a recent interview with Jiji Press.
   "Through social media outreach, we want to become an option for unaffiliated voters who have not decided for whom to vote" in the June 22 race, said Ototake, who is in charge of social media strategy for Tomin First.
   "Tomin First thoroughly checks whether the information it sends out is accurate," he said, adding that "users also should be aware of the need to check whether information is true."
   The comments came after slander and disinformation on social media were a major issue during last year's Tokyo and Hyogo gubernatorial elections.
   Tomin First, for which Tokyo Governor Yuriko Koike serves as special adviser, uses YouTube to explain its policies and streamline videos featuring the governor.