「外国人だからできることを」 中国人協力隊、情報発信に奮闘―福島
東日本大震災の発生から11日で9年となるが、福島県の現状をめぐる風評被害は、依然として色濃く残っている。県は払拭(ふっしょく)に向けた取り組みを続けるが、とりわけ海外では誤解や偏見も多い。そうした中、地域おこし協力隊の中国人男性が、海外への情報発信に奮闘している。
「福島に住む外国人だからできることもある」。上海出身の徐銓軼さん(35)は語る。2018年に奥会津地方の協力隊となり、現在は中華圏からの観光客の案内や、インターネット交流サイト(SNS)での情報発信、移住・定住促進などに携わる。「福島のことは誰よりも詳しい。多くの人に魅力を伝えたい」と笑う。
今、外国人観光客らの注目を集めているのは、会津地方の山間部を走るJR只見線だ。全国屈指の「秘境路線」として知られ、渓谷に架かる鉄橋を渡る列車の写真などが話題を呼び、撮影スポットもできた。「列車の通過時間と行程をうまく組み合わせると、2カ所以上で撮影できる。ツアー参加者らには満足してもらえていると思う」
09年に立命館大卒業後、中国で福島県上海事務所に就職。11年3月10日に、出張で初めて福島県を訪れ、翌日被災した。「駅で10時間以上身動きが取れず、途方に暮れた」と徐さん。上海事務所に戻ったものの、被災直後に現場で支援に携われなかったことを悔やんだ。その後、福島県庁で国際交流員として勤務したが、「これからも福島にいたい」との思いがこみ上げ、任期終了後は協力隊に転じた。
県産品や観光に対する風評被害について、徐さんは「人はデマを信じたがるもの。中国の場合、政府などの発表に疑い深いという国民性もある」と、公式情報よりもネット上の流言などを信じやすい傾向を指摘する。「SNSでの情報発信も大事だが、実際に来て現状を見てもらうのが一番効果的だ。今後も、福島のために活動していきたい」と前を見据えた。(2020/03/10-13:31)
9 Years On: Man from Shanghai Promoting Fukushima to People Overseas
Xu Quanyi, a Shanghai native, has been trying hard to promote the charm of Fukushima Prefecture overseas, in order to dispel misunderstanding of and prejudice against the northeastern Japan prefecture, where one of the worst nuclear accidents in human history occurred nine years ago.
While the prefectural government is working to get rid of unfound rumors, such as contamination of agricultural products, Xu said in Japanese, "I think there are things only foreigners living in Fukushima can do (for the prefecture)."
Joining a central government-sponsored program to revitalize Oku-Aizu, the southwestern part of the Aizu region in the prefecture, in 2018, Xu, 35, currently shows tourists mainly from Greater China around, spreads information on social networks and promotes the relocation and resettlement of people.
"I know Fukushima better than anyone else. I want to tell as many people as possible how (the prefecture) is attractive," he stressed.
After graduating from Ritsumeikan University in Kyoto in 2009, Xu landed a position at the Fukushima prefectural government's Shanghai office.
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