別役実さん死去 劇作家、不条理劇の第一人者―82歳
日本の不条理劇の第一人者で、「象」「マッチ売りの少女」などで知られる劇作家の別役実(べつやく・みのる)さんが3日午前0時12分、肺炎のため東京都杉並区の病院で死去した。82歳だった。中国・新京(現長春)生まれ。葬儀は親族のみで済ませた。後日、しのぶ会を開く予定。喪主は長女林怜(はやし・れい、イラストレーターのべつやくれい)さん。
不条理劇の創始者とされるフランスの劇作家サミュエル・ベケットの影響を受け、早稲田大在学中に劇作を開始。演出家の鈴木忠志さんらと出会い、「新劇団自由舞台」(後の早稲田小劇場)を旗揚げし、広島の被爆者をモチーフにした「象」で注目された。
「マッチ売りの少女」「赤い鳥の居る風景」で1968年に第13回岸田国士戯曲賞受賞。同年、同劇場を退団し、文学座などに戯曲を提供。童話やエッセーも多数手掛けた。
時代を鋭く読み解き、電柱とベンチがあるだけの簡素な舞台に日常の不条理を浮かび上がらせる独特の作風で知られた。童話をモチーフにした「ジョバンニの父への旅」、実際に起きた事件から着想した「木に花咲く」、子ども向け作品や人形劇なども含め140本以上の作品を発表した。
晩年はパーキンソン病と闘いながら劇作を続けた。日本劇作家協会会長、兵庫県立ピッコロ劇団代表も務めた。(2020/03/10-18:00)
Japanese Playwright Betsuyaku Dies at 82
Japanese playwright Minoru Betsuyaku, known as the pioneer of theater of the absurd in Japan, died of pneumonia at a Tokyo hospital on March 3. He was 82.
Born in Hsinking, the capital of Manchuria and now China's Changchun, Betsuyaku was influenced by French playwright Samuel Beckett and started writing plays when he was a student at Waseda University.
He attracted attention for his play of "Zo" (The Elephant), which features a hibakusha, or an atomic bomb survivor, of the western Japan city of Hiroshima, which was devastated by the August 1945 U.S. atomic bombing.
In 1968, he won the 13th Kunio Kishida drama award for his plays "Match Uri no Shojo" (The Little Match Girl) and "Akai Tori no Iru Fukei" (A Scene with a Red Bird).
Betsuyaku, who published over 140 plays, continued to work on the literary genre in his final year while fighting Parkinson's disease.
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