2024.08.09 16:57Nation

核廃絶「人類の絶対条件」 6カ国大使欠席、式典に影―79回目、長崎原爆の日

 長崎は9日、79回目の原爆の日を迎えた。長崎市松山町の平和公園では「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、中東情勢が緊迫する中、鈴木史朗市長は平和宣言で「核兵器を使ってはならない」という人道上の規範が揺らいでいることへの強い危機感を表明し、核兵器廃絶は「人類が生き残るための絶対条件」だと強調した。
 式典には被爆者や遺族、岸田文雄首相のほか、核保有国を含む過去最多となる100カ国の代表が参列した。今年はロシアとベラルーシに加え、イスラエルを招待しなかったが、それに日本を除く先進7カ国(G7)のうち6カ国が反発。いずれも駐日大使が欠席する事態となり、平和を祈る式典に暗い影を落とした。
 「平和な家庭が破壊しつくされたのだ」。鈴木市長は平和宣言で、原爆の悲惨さを訴えた被爆詩人の福田須磨子さん(1922~74年)の詩を引用。放射線の影響などで「生涯にわたり被爆者を苦しめる」と指摘した。
 核保有国と核の傘の下にいる国に対し、「核兵器廃絶に向け大きくかじを切るべきだ」と要請。唯一の戦争被爆国である日本政府には核兵器禁止条約への署名・批准を迫った。また、国が定める被爆地域の外で原爆に遭った「被爆体験者」の救済を強く求めた。
 続いて、被爆者代表の三瀬清一朗さん(89)が「平和への誓い」を読み上げ、岸田首相があいさつした。首相は「非核三原則を堅持しつつ、『核兵器のない世界』の実現に向けた国際社会の取り組みをリードしていく」と述べた。核兵器禁止条約には言及しなかった。
 首相は式典後、被爆者団体などと面会。被爆者と認定されていない被爆体験者について、早急に課題を解決できるよう、同席した武見敬三厚生労働相に対応策の調整を指示した。
 式典では、7月末までの1年間に新たに判明した原爆死没者3200人の名簿を奉安。原爆投下時刻の午前11時2分に合わせて黙とうし、犠牲者の冥福を祈った。死没者数は19万8785人となった。(2024/08/09-16:57)

2024.08.09 16:57Nation

Nagasaki Mayor Presses for Nuke Abolition


Nagasaki Mayor Shiro Suzuki stressed the importance of achieving the abolition of nuclear weapons Friday, the 79th anniversary of the U.S. atomic bombing of the southwestern Japan city.
   The humanitarian norm of never using a nuclear weapon again has been shaken, with Russia's invasion of Ukraine dragging on and the Middle East situation becoming tense, Suzuki said in this year's Nagasaki Peace Declaration.
   This year's memorial ceremony was attended by Prime Minister Fumio Kishida, representatives from a record 100 countries including nuclear powers, hibakusha atomic bomb survivors and bereaved families.
   The city of Nagasaki did not invite representatives of Russia, Belarus and Israel.
   The exclusion of Israel led all of Japan's Group of Seven partner countries--Britain, Canada, France, Germany, Italy and the United States--to stop their ambassadors to Japan from attending Friday's ceremony, casting a dark shadow over the event to pray for peace.

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