3号機の燃料取り出し続く 1、2号機は工程見直し―東電福島原発事故から9年
東京電力福島第1原発事故の発生から11日で9年を迎える。この1年、プールからの核燃料取り出しが3号機で進んだ一方、1、2号機では開始時期が先送りされた。放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法も決まらず、保管用のタンクが増え続けている。
2019年4月に始まった3号機の核燃料取り出し作業はほぼ順調に進み、使用済み燃料プールにあった566体の核燃料のうち、91体が別の建屋にある共用プールに移送された。
1、2号機のプールにも核燃料は残っているが、プールの上に位置する原子炉建屋最上階のがれきや、高い放射線量が妨げとなっている。
原発周辺でも住民の帰還が始まったことから、政府は工程表を見直し、作業で放射性物質が飛散しないよう1号機に大型カバーの設置を決めた。2号機も建屋上部を解体せず、隣に設けた作業スペースから取り出す方針だ。ただ、燃料取り出し開始時期はさらに先送りされ、1号機は27~28年度、2号機は24~26年度の見通しとなった。
1、2号機の脇に立つ高さ120メートルの排気筒は約88メートルにまで解体された。倒壊を防ぐため60メートルまで撤去する計画で、東電は5月の作業完了を目指している。
一方、原発から出る汚染水の問題は深刻さを増している。同原発では、1日平均170トンの汚染水が発生。浄化装置で放射性物質を減らした処理水の総量は約118万トンに上り、敷地内の保管用タンクは1000基を超えた。
東電は137万トン分のタンクを確保する計画だが、22年夏には満杯になるとみている。政府は専門家らでつくる小委員会が「現実的」とした海洋か大気への放出を軸に処分方法を決めるが、除去しきれないトリチウムを含んだままの放出には反対も根強い。(2020/03/10-07:11)
9 Years On: Nuclear Fuel Removal in Progress at Fukushima Reactor
The removal of nuclear fuel has been moving forward at one of the reactors at Tokyo Electric Power Company Holdings Inc.'s Fukushima No. 1 nuclear plant, which suffered a massive disaster nine years ago.
Removal has been proceeding at a steady pace at the No. 3 reactor. Of a total of 566 fuel assemblies kept in a spent fuel storage pool there, 91 units have been moved to a pool at a different building for storage since such work started in April last year.
Meanwhile, removal has yet to start at the No. 1 and No. 2 reactors, hindered by debris on the respective reactor buildings' top floors, below which the storage pools are located, as well as high radiation levels.
The government has pushed back further the schedule to start removals at the No. 1 and No. 2 reactors to fiscal 2027-2028 and fiscal 2024-2026, respectively, showing consideration for residents in nearby areas who are returning after years of evacuation.
According to the government's plan, large covers will be placed over the No. 1 reactor so that radioactive substances do not scatter during the removal process.
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