日産に下請法違反で勧告へ　減額強要３０億円―収益向上目的か・公取委

　日産自動車（横浜市）が自動車部品の製造に関わる下請け業者に対し、納入代金を一方的に引き下げた疑いがあるとして、公正取引委員会が近く、下請法違反（減額の禁止）で再発防止などの勧告を行う方針を固めたことが４日、関係者への取材で分かった。
　減額幅は過去数年間で３０社以上の下請け業者に対し、計約３０億円に上る見込み。１９５６年の下請法施行以来、最高額になるとみられ、日産は既に減額相当分を返金したという。
　関係者によると、日産は遅くとも数年前から減額行為の強要を開始。タイヤホイールなどの部品を製造する下請け業者に納入代金を支払う際、事前に取り決めた金額から数％減らしたとされる。減額率は日産が一方的に決め、業者側は取引の打ち切りなどを恐れて拒否できなかったとみられる。
　下請け業者の中には、１０億円超の減額となったケースもあるといい、日産が収益の向上を目的に行っていた疑いがある。こうした取引は数十年にわたり続いていた可能性もあり、公取委は下請法が禁じる代金の減額に当たるとみて調べていた。
　下請法は、納入代金の決定後の減額について、下請け業者による不良品の製造など正当な理由がない限り、認めていない。
　日産は「一部取引において、公取委から指摘、調査を受け、最終的な結果を待っている」などとコメントした。（2024/03/04-10:48）

Japan's Fair Trade Commission plans to recommend Nissan Motor Co. shortly to prevent a recurrence of unfair reductions in payments to subcontracting auto parts makers, informed sources said Monday.
   The reductions by Nissan are estimated to total about 3 billion yen for more than 30 suppliers over the past several years, the biggest amount since the subcontractor law was enacted in 1956.
   Nissan has already paid the amount back to the subcontractors, the sources said.
   The automaker is believed to have unilaterally reduced payments by several pct from the amounts agreed in advance with the subcontractors, such as a tire wheel maker.
   Nissan may have started the practice decades ago. The subcontractors apparently could not refuse the reductions for fear of losing jobs with Nissan.