サルはリスクよりリターン? 判断にかかわる脳領域特定―京都大
ニホンザルが行動に伴うリスク(失敗する確率)とリターン(報酬)のバランスを判断する脳神経回路を京都大などの研究グループが特定した。この領域を刺激することでサルの行動傾向を操作することに成功したといい、研究グループはギャンブル依存症などの治療法開発につながる可能性があるとしている。論文は1月、米科学誌「サイエンス」に掲載された。
研究グループはニホンザル6頭に画面に表示された点を選ばせる実験を実施。点の色の違いによってジュースが出る確率は高いものの量が少ないか、確率は低いが出る量が多いかを25段階で設定したところ、得られるジュースの量が多い色を選ぶ傾向にあると判明した。この際、中脳から前頭葉に至る領域が判断に関与していることが分かった。
さらに遺伝子操作で、光による刺激で神経の活動を制御できるようにしたところ、前頭葉の下部に至る経路を活性化させると高リスク高報酬を選ぶ傾向が強まり、上部に至る経路では低リスク低報酬を選ぶ傾向が強まった。
光による刺激を一定期間与え続けると、止めた後でも効果が持続することも確認。研究グループの京大大学院医学研究科の伊佐正教授は「神経経路が依存症の原因とも考えられ、制御できれば治療法の開発も期待できる」と話している。(2024/02/28-14:16)
Japan Team Finds Monkey Brain Part behind Balancing Risk, Reward
A team of Japanese researchers has identified a neural circuit in the brain of Japanese monkeys that determines how they balance risks and rewards in decision-making.
By stimulating the area of the brain, the team succeeded in manipulating the behavior of monkeys. Researchers believe the finding could lead to the development of treatments for gambling addiction and other diseases.
The results of the research were announced in an article on the U.S. journal Science in January.
The team, including Kyoto University researchers, trained six monkeys to select on a screen dots in 25 different colors, producing a range of outcomes when selected, from large rewards at a low probability to small rewards at a high probability.
It found that the monkeys tended to choose dots that gave larger returns. The area from the midbrain to the frontal lobe was found to be involved in the judgment.
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