ボランティア受け入れに時間 一律対応、識者から疑問も―能登地震1カ月
能登半島地震の発生後、石川県は「受け入れ態勢が整っていない」としてボランティアが個別に来ることは控えるよう呼び掛け、専用サイトでの事前登録にとどめた。被災地での本格的な受け入れが始まったのは発生から1カ月近くたった1月27日で、識者からは対応の遅れを指摘する声も出ている。
発生後に3回現地入りし、日本災害救援ボランティアネットワーク副理事長も務める渥美公秀・大阪大大学院教授(災害社会学)は「助けを待っている人があれだけいる中で、どうして行ってはいけないのか。迷惑になるボランティアに対策を取るのは分かるが、善意で来る人にも一律で同じ対応はいかがなものか」と疑問を呈す。
道路の寸断などで当初受け入れが難しかったことには理解を示しつつ、比較的被害の小さかった金沢市などでできることは多くあったと指摘。SNSなどで、呼び掛けに従わない人を批判する意見が出たことにも「せっかく人を助けようという気持ちを萎縮させる」と懸念を示した。
「主役は被災者。県の言うことを聞き、それに沿ってやるという『マニュアル通り』のボランティアになるのは良くない。制度には限界があるため、(ボランティアなど)市民が臨機応変に考えていくことが必要だ」と話した。
NPO法人「レスキューストックヤード」(名古屋市)の栗田暢之代表理事も、活動拠点を自ら整える「自立型ボランティア」として発生翌日から何度も現地入りし、炊き出しなどを行ってきた。「海に囲まれていて、(陸の)1方向からしか支援が行けない。こんなに行きづらい現場は初めてだった」と振り返る。
その上で「4週間たっても非常食が提供されている。こんな現場は見たことがない」と話し、災害対応には行政だけでなくノウハウのあるNPOなども含めるべきだと強調。一方、今後ボランティアとして来る人に対しては「力仕事をイメージしがちだが、相手の気持ちを考えて行動することが大事だ」と呼び掛けた。(2024/02/02-08:20)
Acceptance of Volunteers after Noto Quake Said to Be Slow
Some experts argue that the acceptance of volunteers in areas affected by the Jan. 1 Noto Peninsula earthquake has been too slow.
After the 7.6-magnitude earthquake, the Ishikawa prefectural government initially asked individual volunteers to refrain from going to disaster-affected areas, saying that the areas were not yet ready to accept them. They were then asked to register on a website.
Volunteers began arriving in earnest only on Saturday, nearly a month after the disaster.
"Why were they not allowed to go to the disaster areas when there were so many people waiting for help?" said Osaka University professor Tomohide Atsumi, who specializes in disaster sociology. Atsumi has already visited the areas three times since the disaster.
"I understand that measures could be taken against nuisance volunteers, but I doubt it is right to take the same approach to those who come with good intentions," said Atsumi, who is also vice head of the nonprofit Nippon Volunteer Network Active in Disaster.
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