名張毒ぶどう酒、再審認めず 第10次請求審、確定へ―元死刑囚側の特別抗告棄却・最高裁
三重県名張市で1961年、女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件の第10次再審請求審で、最高裁第3小法廷(長嶺安政裁判長)は29日付で、奥西勝・元死刑囚側の特別抗告を棄却する決定をした。再審開始を認めない判断が確定する。
裁判官5人中4人の多数意見。学者出身の宇賀克也裁判官は、再審を開始すべきだとする反対意見を付けた。同事件で最高裁の裁判官が再審開始を認める反対意見を述べるのは初めて。
殺人罪などで死刑が確定した奥西元死刑囚は2015年に89歳で病死。妹の岡美代子さん(94)が第10次請求をしたが、名古屋高裁と同高裁の別の裁判部は17年と22年に請求を退けていた。
元死刑囚側は、ぶどう酒の瓶口に巻かれた封かん紙から製造時と異なるのりの成分を検出したとする鑑定書を新証拠とし、「真犯人が毒を入れて貼り直した」と主張。元死刑囚以外にも犯行の機会があったと訴えた。
第3小法廷は、「鑑定は科学的根拠を有するものとは言えない」と指摘。人目に付かず農薬を混入できたのは元死刑囚だけだったなどとする確定判決について、「合理的な疑いが生じる余地はない」と結論付けた。
宇賀裁判官は鑑定の信用性を認め、「元死刑囚の犯人性には疑いがある」とする反対意見を付けた。(2024/01/30-18:20)
Japan Top Court Rejects Retrial on 1961 Nabari Wine Poisoning
Japan's Supreme Court rejected on Tuesday a retrial of deceased death-row inmate Masaru Okunishi over the high-profile murders using poisoned wine in the city of Nabari, Mie Prefecture, in 1961.
Four Third Petty Bench justices supported the "no retrial" decision, while Katsuya Uga became the first top court justice to demand that the case be reopened.
Okunishi died of illness at age 89 in 2015, after his death sentence chiefly for killing five women was finalized by the Supreme Court in 1972. His sister, Miyoko Oka, 94, filed the 10th retrial petition following his death.
Nagoya High Court denied his retrial in 2017 and turned down the petitioner's complaint against the ruling in 2022.
The Okunishi side submitted as new evidence an expert's written opinion that glue not used in the wine-making process was found on the seal of the bottle, alleging that the real culprit had put the poison in the wine and resealed the bottle.
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