安倍派幹部に進退決断促す　自民、離党勧告論も―政治改革で中間まとめ

　自民党安倍派などの政治資金パーティー収入裏金化事件を受け、党執行部が安倍派幹部に出処進退を決断するよう促したことが２５日、分かった。自発的に身を処さない場合は党則に基づく処分を検討する。同党は臨時総務会で、派閥による政治資金パーティーの全面禁止を柱とする政治改革の「中間取りまとめ」も了承した。国民の信頼回復に全力を挙げる方針だ。
　岸田文雄首相（党総裁）は臨時総務会で「自民党自身が変わらなければならない」と語った。安倍派幹部の政治責任に関しては、首相官邸で記者団に「まずは関係者に明確な説明責任を促す。その上で党としてできる限り事実関係の把握に努める」と述べるにとどめた。
　安倍派では告発を受けた塩谷立座長ら幹部・有力議員７人の立件が見送られた。ただ、幹部らは事件の背景について明確な説明を避けており、党内から「説明責任を果たしていない」との批判が噴出。自発的な離党や議員辞職を求める声が出ている。
　関係者によると、党幹部は今週に入り、塩谷氏ら複数の安倍派幹部に党内の厳しい空気を伝達。「どうしたらいいか」と問われたのに対し、「自分たちで決めるべきではないか」と決断を求めた。
　党は安倍派幹部が具体的な対応を取らない場合、党則に基づき処分する方向で調整している。「党の役職停止」とする案が有力視されているが、「離党勧告」を求める声も出ている。
　政治改革の中間取りまとめは、国民の批判を踏まえ「派閥から脱却し、本来の政策集団に生まれ変わる」と宣言。「お金と人事から完全に決別する」として、所属議員に冬と夏に配る「餅代」「氷代」の廃止、人事の際の推薦の禁止、法令に違反した派閥への活動休止・解散要求を盛り込んだ。
　政治資金の透明化を図るため、党独自の取り組みとして派閥の政治資金収支報告書に対する外部監査の義務化や議員の内部処分を容易にするための党則改正を明記。政治資金規正法などの改正に向け、「各党との真摯（しんし）な協議を経て、必要な法整備を速やかに行う」とした。党政治刷新本部で今後、選挙制度、国会運営、官僚との距離感などの見直しを進める方針も明記した。（2024/01/25-19:11）

Senior members of the largest faction of Japan's ruling Liberal Democratic Party have been urged by the party leadership to decide their response to a high-profile political funds scandal, informed sources said Thursday.
   If the senior members of the LDP faction formerly led by the late Prime Minister Shinzo Abe fail to punish themselves, the party leadership will consider taking action against them based on party rules, according to the sources.
   On Thursday, the LDP held an extraordinary meeting of its General Council and approved an interim report on political reform that includes a ban on LDP factions holding fundraising parties.
   "The LDP must change its ways," Prime Minister Fumio Kishida, also LDP president, said at the meeting.
   The Abe faction is one of the LDP factions deeply involved in the scandal, in which slush funds were allegedly created through faction-hosted fundraising parties.