夢かなえ、入社１年で犠牲に　「命ある限り反省を」―大野さんバイト先店長・京アニ放火殺人

　京都アニメーション放火殺人事件犠牲者の１人、大野萌さん＝当時（２１）＝は同社で働くことを夢見てアニメーター養成塾に通い、入社して１年余りで事件に巻き込まれた。養成塾に通う学費をためるためアルバイトをしていた京都府木津川市のスーパーで店長だった高田光男さん（４９）は「夢への第一歩がかなって、さあこれからという時に命を奪われた」と残念がる。
　高田さんによると、大野さんは努力家で人懐っこい性格で、スーパーで働いたのは１年半ほどだったが、これまで出会った人の中でも特に印象に残っているという。
　絵を描くと「店長、見て」と持って来ることも。「才能あるんやな」と感心するほどの絵で、学校などでも表彰されたと聞いていた。
　「大野がいるときは場の雰囲気がさらに明るくなった。天真らんまんでアニメの主人公みたいな女の子」だった。夢だった京アニへの入社が決まった時は、「店長受かったで」と笑顔で報告してくれた。
　事件から１カ月ほどは「もう会えない、と思ったら何も考えられない」と仕事も手につかなかった。現在では仕事で壁にぶつかっても「何事にも一生懸命だった大野に負けないように」と思うようになった。
　青葉真司被告には「命ある限り、反省して償ってほしい」と考えている。ただ、「罪の深さがわかったところで大野は帰ってこない」と複雑な心境を語った。（2024/01/25-13:30）

Megumu Ono died at the age of 21 in the 2019 arson attack on a Kyoto Animation Co. studio, just about a year after joining the company, also known as KyoAni.
   Dreaming of working at KyoAni, Ono had been studying at an animation school while working part-time at a supermarket in the city of Kizugawa, Kyoto Prefecture, western Japan, to earn her tuition fee for the school.
   Mitsuo Takada, 49, who was the supermarket's manager at the time, regrets that Ono was killed just as she was beginning to work in earnest after joining KyoAni.
   Takada remembers Ono as a friendly and conscientious worker who left a deep impression on him, even though she worked at the supermarket for only about a year and a half.
   He said that she sometimes brought her drawings to show him. He admired her talent, which earned her an award from the school.