青葉被告に死刑判決　責任能力認める―京アニ放火殺人・京都地裁

　京都アニメーション第１スタジオが放火され、３６人が死亡、３２人が重軽傷を負った事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告（４５）の裁判員裁判の判決が２５日、京都地裁であった。増田啓祐裁判長は「心神喪失か耗弱状態だった」とする被告側主張を退け、刑事責任能力があったと認定。求刑通り死刑を言い渡した。
　増田裁判長は「３６人の命を奪い、３４人を死の危険にさらした責任は極めて重い」とした上で、「動機形成に妄想性障害が影響していることなどを考慮しても、死刑をもって臨むほかない」と結論付けた。
　平成以降で最悪の犠牲者を出した放火殺人事件は、２０１９年７月の発生から４年半で大きな節目を迎えた。
　２３年９月から計２２回開かれた公判では、刑事責任能力の有無と程度が最大の争点だった。弁護側は事件当時、被告が重度の妄想性障害だったと主張していたが、増田裁判長は「善悪を区別し、犯行を思いとどまる能力は著しく低下していなかった」と判断した。
　事件については「生身の人間を火だるまにして、誠に残虐非道だ」と指摘し、「被害者の恐怖や苦痛は計り知れず、筆舌に尽くしがたい」と述べた。その上で、「恨みを晴らす手段として大量殺人を考えたのは非人間的な思考で、極めて強い非難に値する」と指弾した。
　さらに、「まれに見る被害の大きさもあって社会に衝撃を与え、模倣犯が生じる恐れも見過ごせない」と言及。被告の事件後の姿勢について「被害の実態や被害者の実情に十分向き合えていないと言わざるを得ない」とも述べた。
　青葉被告は起訴内容を認め、被告人質問では事件の動機として、京アニが自身の小説を落選させたり、盗用したりしたと主張していた。（2024/01/25-18:47）

Kyoto District Court on Thursday sentenced Shinji Aoba to death for the July 2019 arson attack on a Kyoto Animation Co. studio that left 36 people dead, Japan's deadliest arson incident in over three decades.
   In handing down the death sentence, Presiding Judge Keisuke Masuda said that Aoba, 45, neither was in a state of insanity nor had diminished capacity at the time of the attack, ruling that he was mentally competent to take criminal responsibility for the incident.
   During the 22 sessions of Aoba's lay judge trial that extended over a three-month period, the biggest focus was whether and to what extent the suspect could be held criminally responsible.
   The prosecution had sought the death penalty, describing the case as an "unprecedented mass arson murder." The defense had argued that Aoba should be acquitted because he was in a state of insanity or his sentence should be reduced because of his diminished capacity.