前原新党、維新への合流含み　野党再編は不透明

　国民民主党の前原誠司代表代行が新党結成を表明した。持論の「非共産、非自民」勢力の結集による政権交代を目指す立場を鮮明にした形だが、与野党には日本維新の会への将来の合流を見据えた動きと見る向きが多い。本格的な野党再編につながるかは不透明だ。
　「政策本位で『非自民、非共産』の野党協力、連携を進めたい」。前原氏は３０日の記者会見で、維新の名こそ出さなかったものの野党結集を目指す考えを繰り返した。
　維新幹部によると、前原氏とは協議を重ねていたという。前原氏も会見で、維新の馬場伸幸代表と２９日に会い、事前に説明していたことを明かした。
　早速、馬場氏は３０日の会見で「大阪・関西周辺に限定されている完全教育無償化が全国で行われるよう、前原氏とスクラムを組んでしっかりやりたい」と歓迎した。
　９月の代表選で、前原氏と与党との協調路線を取る玉木雄一郎代表との不和は決定的となった。前原氏は玉木氏の路線を「このままでは党はなくなる」と批判。安全保障や原発政策などで一致する維新や立憲民主党の一部と連携し、自民党政権に対峙（たいじ）すると訴えたが大差で敗れ、党内では事実上居場所を失っていた。
　国民民主は３０日、２０２３年度補正予算への賛成と引き換えにガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の凍結解除に向けた与党との協議を開始した。これに関し前原氏は、「玉木氏は代表選を経て自民、公明両党により前のめりになった」と指摘した。
　ただ、前原氏の野党結集構想が成就する見通しは立っていない。前原新党が維新寄りの姿勢を鮮明にすれば立民としては連携しづらく、泉健太代表は記者団に「（前原氏とは）全く会っていないし、どんな政党かも聞いていない」と述べるにとどめた。連合幹部も「前原新党が維新に食われるのであれば支持できない」と距離を置く。
　玉木路線の抵抗勢力となってきた前原氏らの離党は、国民民主の与党への接近を加速させる可能性もある。自民幹部は「これで玉木氏は動きやすくなる」と期待。一方、公明幹部は「連立の枠組みを変えるというならば、トリガー協議はひっくり返す」とけん制した。（2023/12/01-07:07）

Seiji Maehara's departure from the Democratic Party for the People to form a new political party is seen by many across the political aisle as a move to join Nippon Ishin no Kai (Japan Innovation Party) in the future.
   The prominent lawmaker aims to achieve a change in government through a coalition of lawmakers other than those from the ruling Liberal Democratic Party and the opposition Japanese Communist Party.
   "I want to promote non-LDP, non-JCP opposition cooperation that focuses on policy," Maehara said at a press conference Thursday.
   Although Maehara did not mention Nippon Ishin by name during the press conference, the party, based in Osaka Prefecture, western Japan, is apparently part of his ambition.
   A senior Nippon Ishin official said that the party has been in talks with Maehara. At the press conference, Maehara revealed that he had met with Nippon Ishin leader Nobuyuki Baba on Wednesday to explain in advance his intention to leave the DPFP.