30~32年に売上高1兆円 認知症新薬、収益押し上げ―エーザイ
アルツハイマー型認知症薬「レカネマブ」の米国での正式承認は、エーザイの収益を押し上げそうだ。同社は、新薬には既存薬と異なり、症状の進行を遅らせる効果があることから、欧米と日本で普及が進むとみており、売上高に相当する売上収益はレカネマブだけで2030~32年に世界全体で年1兆円レベルになると想定する。
エーザイによると、国内のアルツハイマー病患者数は500万~600万人程度で推移し、潜在的な市場規模は大きい。焦点は承認取得後に国が算定する薬価だ。内藤晴夫最高経営責任者(CEO)は「社会的な価値に基づいて設定されるべきだ」と主張する。同社と横浜市立大医学部の五十嵐中准教授による試算では、レカネマブの価値は家族の介護負担軽減などを含め年間で最大約467万円に達する。
一方、アルツハイマー病治療薬を巡っては、海外製薬企業との開発競争も激化している。米大手イーライリリーが開発中の「ドナネマブ」は、臨床試験で薬を投与しない患者に比べ、症状悪化を35%抑制する効果が確認された。現状はエーザイが一歩リードしているが、今後は強力な競合薬も登場しそうだ。(2023/07/08-09:21)
Eisai Envisions 1-T.-Yen. Annual Sales of Novel Alzheimer's Drug
Japanese drugmaker Eisai Co. expects that global sales of a novel Alzheimer's treatment it developed with U.S. partner Biogen Inc. will total around 1 trillion yen annually between 2030 and 2032, following full approval of the drug in the United States on Thursday.
The company believes Leqembi, whose generic name is lecanemab, will become popular in Europe, the United States and Japan as it has the effect of slowing the progression of Alzheimer's symptoms in early-stage patients, unlike existing drugs.
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