日韓レーダー、米経由で接続へ　防衛相会談、来月で調整

　日米韓３カ国は、北朝鮮の弾道ミサイルを探知・追尾する日韓のレーダーシステムを米国経由で接続し、情報を即時共有する検討に入った。日本政府関係者が９日、明らかにした。迎撃態勢の強化につなげる狙い。実務協議を進め、早期の運用開始を目指す。
　これに関連し、６月に浜田靖一防衛相と李鐘燮国防相による約４年ぶりとなる日韓防衛相会談も調整している。シンガポールで開かれるアジア安全保障会議（通称シャングリラ会合）の出席に合わせたもので、北朝鮮ミサイル情報の共有など防衛協力が議題となる。防衛省幹部によると、日米韓防衛相会談も検討する。
　同盟関係にある日米、米韓はそれぞれレーダー情報を即時共有している。しかし、日韓間はシステムを直接接続せず、即時共有は行っていない。ミサイル情報の分析など事後共有にとどまっているという。
　ミサイル発射の探知・追尾の精度向上のため、昨年１１月の日米韓首脳会談で、即時共有する方針で一致。今年４月の３カ国防衛当局者会合では、２０１４年に結んだ日米韓情報共有協定（ＴＩＳＡ）の法的枠組みを活用することなどを確認した。
　日韓両国は、首脳間のシャトル外交再開など関係改善の機運が高まっている。ただ、防衛当局間では、１８年の韓国軍艦艇による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題が最大の懸案。日本側は、不測の事態を招きかねない危険な行為だとして再発防止を要求。韓国側は事実関係を否定している。
　日韓防衛相会談が開かれれば、浜田氏からレーダー照射問題を提起するとみられる。防衛省幹部も「水に流すわけにはいかない」と韓国側の対応を注視している。（2023/05/10-07:12）

Tokyo and Seoul are considering connecting their radar systems to enable the immediate sharing of information about North Korean missiles, Japanese government sources said Tuesday.
   Under the plan, the two Asian countries' radar systems to detect and track North Korea's ballistic missiles will be linked via the United States, with the aim of bolstering preparations for intercepting projectiles.
   Tokyo, Seoul and Washington will engage in working-level talks to swiftly make the connected systems operable.
   The move comes as Defense Minister Yasukazu Hamada and his South Korean counterpart, Lee Jong-sup, are preparing to meet on the sidelines of the Asia Security Summit, known as the Shangri-La Dialogue, in Singapore next month.
   The two defense ministers would meet for the first time in some four years. Their discussions are expected to focus on defense cooperation, including the sharing of information on North Korean missiles.