ローカル線、費用負担が焦点 「維持困難」で議論本格化―北海道
ローカル鉄道の見直しに向けた議論が全国各地で始まるのに先駆け、JR北海道が「単独では維持困難」だとする8区間の扱いをめぐり、関係自治体を交えた調整が本格化する。経営が厳しい同社は、2023年度までに「抜本的な改善方策」を示すよう国から監督命令を受けている。JR北は地元負担を前提に鉄路存続を目指すが、財政が苦しい沿線自治体にとって受け入れは容易ではなく、費用分担の在り方が焦点となる。
積雪寒冷地で車両の維持コストがかかるJR北は民営化当初から経営が不安視された。さらに人口減少や道路整備進展で鉄道利用者は減少。単独では維持困難とされた13区間のうち、同社が廃止の方針を打ち出した5区間すべてがバス転換する方向で固まり、宗谷線の名寄―稚内間や根室線の釧路―根室間など8区間の扱いが残された。
JR北は沿線自治体と観光列車の運行などで集客に努めてきたが、コロナ禍もあり、収支改善は見通せない。8区間の21年度の赤字額は141億円で過去最大となった。新車両の導入などで支援してきた道の関係者は「利用促進を目に見える形で経営改善につなげることは難しい」と頭を抱えつつ、単なる赤字補填(ほてん)は行わない考えを崩さない。沿線自治体関係者らも「財政負担は厳しい」と語る。
ローカル線の在り方を話し合ってきた国土交通省の有識者検討会は7月、自治体が鉄道施設を保有して事業者が運行する「上下分離方式」の活用などを選択肢として示した。しかし、自治体財政の状況が厳しいといった理由で、上下分離は「現実的ではない」(道関係者)との見方も出ている。JR北の綿貫泰之社長は「持続可能な仕組みづくりに注力したい」と話すが、打開策を見つけられるか不透明だ。(2022/09/11-07:04)
Talks on Hokkaido Railway Services Expected to Focus on Cost-Sharing
Hokkaido Railway Co., or JR Hokkaido, will soon start full-fledged consultations with related municipal governments on what to do with eight loss-making railway sections in the northernmost prefecture.
The railway operator intends to keep trains running on the sections if municipal governments involved agree to shoulder part of the costs to do so.
The upcoming talks are expected to focus on how to split the costs between JR Hokkaido and the municipal governments, informed sources said, adding that striking a deal would not be easy because those municipalities are also financially strapped.
The struggling railway company has been ordered by the central government to present drastic measures to improve its business by fiscal 2023.
There was already concern over the company's financial sustainability when it was born out of the 1987 privatization of the Japanese National Railways because maintenance costs of train cars are higher in the snowy, cold prefecture.
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