天皇3代にわたり交流 皇室との親密関係構築―死去のエリザベス女王
8日死去したエリザベス女王は昭和天皇、上皇さま、天皇陛下と天皇3代にわたって家族ぐるみで交流した。第2次世界大戦という負の歴史を乗り越え、英王室と皇室の間に親密な関係を築いた。陛下は女王の招待を受け、即位後初の外国訪問として、皇后さまと2020年に訪英される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となり、01年の訪英以来の再会はかなわなかった。
1953年6月の女王戴冠式には、皇太子時代の上皇さまが、昭和天皇の名代として参列した。同年5月、上皇さまはバッキンガム宮殿を訪ね、初対面の女王と英語で親しく懇談した。英国内には日本に対する厳しい国民感情が残っていたが、女王は一緒に競馬を観戦するなど、温かく迎えた。
昭和天皇は71年10月の訪英の際、ロンドンのビクトリア駅で出迎えた女王と馬車に同乗し、バッキンガム宮殿に向かった。同宮殿には3泊滞在。国賓は通常2泊までだが、女王の意向で特別の措置が取られた。昭和天皇実録によると、宮中晩さん会の席で女王は「天皇の訪英は日英間の戦争という不幸な記憶に終止符を打つものであると確信している」などと述べた。
女王は75年5月、英国の君主として初めて、夫の故フィリップ殿下と来日。昭和天皇は宮中晩さん会で、皇太子時代の1921年と、71年の訪英時の厚遇に感謝した。
76年、上皇ご夫妻が訪英。側近によると、ウィンザー城での2泊3日は女王と共に行動し、女王が運転する車に乗り、乗馬もしたという。上皇さまは98年に再訪した際、当時を「深く心に残っております」と振り返っている。
上皇ご夫妻は12年5月、女王の即位60年祝賀行事のため英国を訪れた。上皇さまは3カ月前に心臓を手術していた。女王夫妻主催の昼食会に招かれた各国王族らのうち、53年の戴冠式に出たのは上皇さまとベルギーの前国王だけで、上皇さまには女王の隣の席が用意された。
天皇陛下は83年から約2年間の英国留学中、女王主催の茶会や園遊会などで親交を深め、女王が亡くなったバルモラル城にも女王夫妻と滞在した。側近によると、陛下は「家庭的な雰囲気の中で家族の一員のように過ごした」と後に述懐したという。(2022/09/09-13:33)
Queen Elizabeth II Had Close Ties with 3 Japanese Emperors
The late Queen Elizabeth II established close ties between the British Royal and Japanese Imperial families that spanned three emperors over her reign of 70 years.
The bond was formed as the Queen led the way to overcome difficulties between the two nations that were enemies during World War II. She interacted with former Emperor Hirohito, posthumously called Emperor Showa, Emperor Emeritus Akihito and the current Emperor Naruhito.
Invited by the Queen, Emperor Naruhito was to visit Britain with Empress Masako in 2020 in what would have been his first overseas trip since his enthronement in 2019.
The chance to meet the Queen for the first time since 2001 was lost, however, because the visit was postponed due to the coronavirus pandemic.
In June 1953, Emperor Emeritus Akihito, then crown prince, attended the coronation of the Queen on behalf of his father, Emperor Showa.
最新ニュース
-
首脳会談、早期開催へ調整=日米外相、同盟強化確認
-
トランプ米大統領、対ロ追加制裁を警告=ウクライナと交渉せねば
-
リバプール7連勝で決勝Tへ=南野のモナコは勝利―欧州CL
-
日米豪印、同志国の重要性確認=トランプ政権でも連携継続
-
イチローさん、アジア人初選出=満票には1票足らず―米野球殿堂
写真特集
-
【高校通算140本塁打の強打者】佐々木麟太郎
-
【駅伝】第101回箱根駅伝〔2025〕
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕