今こそアフリカ支援を　食料危機、債務膨張で苦境―２７、２８日にＴＩＣＡＤ

　【ワシントン時事】日本が主導する第８回アフリカ開発会議（ＴＩＣＡＤ８）が２７、２８両日、アフリカ北部チュニジアで開催される。ロシアのウクライナ侵攻を背景とした食料価格高騰や、新型コロナウイルス対策に伴う債務膨張などで、アフリカ諸国の苦境は深まっている。ＴＩＣＡＤを含めた国際会議の場で「日本はアフリカを支援してほしい」（関係者）と、切実な声が上がる。
　特に東部のエチオピアやケニアなどでは、過去４０年以上で最悪とされる干ばつが重なった。国連世界食糧計画（ＷＦＰ）は「年末までに２０００万人以上が食料危機に陥る」と警鐘を鳴らす。
　穀物などの食料を輸入に依存するアフリカ諸国は、「ショック」に対し極めて脆弱（ぜいじゃく）だ。世界銀行によると、サブサハラ（サハラ砂漠以南のアフリカ）諸国の全輸入に占める食料の割合は２割と、他の途上国の倍に達する。「アフリカ諸国は長期的には農業に投資するべきだ」（米シンクタンク）との意見は根強い。
　国際協力機構（ＪＩＣＡ）は２０３０年までに、アフリカのコメ生産量を倍増させる計画を進めている。薬師弘幸ＴＩＣＡＤ推進課長は「（稲作は）日本に強みがある分野。さらに強化したい」と力を込める。
　アフリカ各国財政はコロナ禍で悪化し、「サブサハラ諸国の６割以上が債務危機にあるか、そのリスクが高い状況」（世銀）だ。このため、中国が得意としていた２国間の巨額融資による大規模インフラ開発は難しくなっている。
　こうした中、日本が国連開発計画（ＵＮＤＰ）や世銀と共催するＴＩＣＡＤへの期待は高まっている。食料危機などは一国で対処できるものではなく、多国間での取り組みが必須だ。西アフリカ・リベリアのムーア元公共事業相は「ＴＩＣＡＤには国際機関も関与している。日本の国益追求にとどまらず、他国にとっても意義が大きい」と指摘した。（2022/08/14-07:15）

Expectations of a Japanese government-led initiative for African development are high at a time when the continent is struggling with food price spikes and ballooning debt amid Russia's invasion of Ukraine and the novel coronavirus pandemic.
   "We want Japan to support Africa" at international gatherings, including the Tokyo International Conference on African Development, a person involved said ahead of a TICAD meeting starting Aug. 27 in Tunisia for a two-day run.
   The food crisis in East Africa, including Ethiopia and Kenya, is especially severe, as the area has been hit by the worst drought in more than 40 years on top of surging wheat prices due to the war between the world's major suppliers.
   The U.N. World Food Program warns that more than 20 million people there will starve by the end of the year.
   African countries are extremely vulnerable to "shocks" because of their dependence on foreign foodstuffs including grain, with food accounting for 20 pct of all imports in sub-Saharan nations, which is twice the share in other developing countries, according to the World Bank.