市民の力で「北斗星」復活　寝台列車、ゲストハウスに―北海道

　かつて上野―札幌間を運行していた寝台列車「北斗星」がこのほど、北海道北斗市でゲストハウスとして復活した。列車は解体予定だったが、市民がクラウドファンディング（ＣＦ）で資金を集めて一部を保存。「また泊まりたい」というファンの声を受け、宿泊施設として再出発した。
　北斗星は青函トンネルが開通した１９８８年に運行を始め、本州と北海道をつなぐ「足」として広く親しまれたが、北海道新幹線の開業を前に２０１５年、運行を終えた。名前にゆかりを感じた北斗市商工会青年部の沢田導俊さん（４２）ら有志３人が、解体予定の列車を守ろうと１６年にＣＦで資金を募ると、８００人以上から計約１６００万円が集まった。
　沢田さんらは北斗星の車両２両をＪＲ北海道から購入し、１７年に市内の広場に設置した。年間１万人を超える見学客が全国から訪れ、車内に置かれたノートには「残してくれてありがとう」などと喜びの書き込みが寄せられた。
　「北斗星にまた泊まりたい」。ファンからの熱望の声を受け、沢田さんらは自らの手で列車を修繕し、今年４月にゲストハウスとして開業した。列車内の客室７部屋には最大で１４人泊まることができ、当時使われたシャワー室も使えるようにした。列車の正面には、北斗星を眺めながら宿泊できるトレーラーハウスも２台設置した。
　８月中旬からは、手ぶらでジンギスカンが楽しめる場所を設け、テントサウナや電動自転車も今後導入する計画。得た収益は全て維持費に充てる考えだ。
　沢田さんは「鉄道ファン以外の方にも泊まってもらい、列車の歴史を感じてほしい」と呼び掛ける。「北斗星をきっかけに、北斗市のことも知ってもらえれば」と笑顔を見せた。（2022/07/19-13:32）

"Hokutosei," a popular sleeper train that used to link Tokyo and the northernmost Japan prefecture of Hokkaido, has made a fresh start as a lodging facility, thanks to a crowd-funding initiative by locals in the Hokkaido city of Hokuto.
   Inspired by the resemblance between the names of the train and the city, Michitoshi Sawada, 42, a member of the youth division of the Hokuto City Society of Commerce and Industry, and two others launched in 2016 a crowd-funding campaign for saving Hokutosei, which was set to be scrapped.
   The train, which derived its name from "Hokutoshichisei," or the Big Dipper, started operations in 1988, when the undersea Seikan Tunnel linking Hokkaido and the Honshu main island of Japan opened. It traveled between Ueno Station in Tokyo and Sapporo Station in the Hokkaido capital of Sapporo.
   Hokutosei ended its regular service in March 2015, ahead of the start later that month of the Hokkaido Shinkansen bullet train line between Tokyo and Hokkaido.
   Raising a total of approximately 16 million yen from over 800 people through the crowd-funding scheme, Sawada and his partners purchased two Hokutosei cars from Hokkaido Railway Co., or JR Hokkaido, and exhibited them at a square in Hokuto in 2017.