2022.06.10 13:28Nation

「字幕メガネ」で映画観賞を 聴覚障害者をサポート―NPOが普及活動・東京

 映画観賞時、レンズ上に字幕が映し出される「字幕メガネ」が注目を集めている。情景や効果音も文字で表現するため、耳が不自由な人でも映画を楽しめるツールだ。字幕を制作し、メガネの普及に取り組むNPO法人「メディア・アクセス・サポートセンター(MASC)」(東京都渋谷区)の担当者は「誰もが映画を楽しめるきっかけになれば」と期待する。
 利用者はスマートフォンの専用アプリを使い、対応する作品の字幕データをダウンロードした上で、メガネと接続する。付属の小型マイクが映画の音声に反応して、対応する場面の字幕がレンズに映し出される仕組みだ。
 MASCは普及のため、2020年1月から全国の映画館に字幕メガネを貸し出す事業を開始。現在、国内85カ所の映画館で使われている。利用者からは「家族そろって映画を楽しめた」「映画の描写を最後まで理解できてうれしい」といった意見が寄せられているといい、事務局長の川野浩二さん(59)は「利用者のニーズに応えられている」と自信を深めている。
 川野さんによると、こうした「バリアフリー字幕」は劇中の細かな効果音や情景も字幕化するため、2時間ほどの映画で約2週間の制作期間が必要。本編を文字起こしした上で、必要な字数や表現を考え、何度も推敲(すいこう)を重ねるという。「映画を楽しんでもらうにはどのような字幕にすべきなのか、字幕が単なる説明文になっていないか常に考えている」と苦労を打ち明ける。
 MASCによると、20年12月~21年11月に制作された国内映画490本のうち、バリアフリー字幕に対応した映画は80本(16.3%)にとどまる。文化庁は、映画制作会社がバリアフリー字幕を作るのに最大100万円を助成する制度を設けているが、川野さんは「コストが掛かるため、字幕入り映画は大手の会社が制作したものが多い。より多くの映画関係者が恩恵を受ける制度ができれば」と、さらなる支援拡充に期待している。(2022/06/10-13:28)

2022.06.10 13:28Nation

"Subtitle Glasses" Helping Deaf Movie Goers in Japan


Glasses showing movie subtitles and texts describing scenes and sound effects on the lenses are helping the hard of hearing enjoy their time at the movies in Japan.
   "We hope that the glasses provide an opportunity for everyone to enjoy watching movies," said official at nonprofit organization Media Access Support Center, which creates the subtitles and works to publicize the glasses.
   The users of the glasses first need to download via a dedicated smartphone app data on the subtitles of the movie they are going to watch. They then connect the glasses to their smartphones.
   A small microphone attachment picks up the movie sounds. Subtitles corresponding to the movie scene is projected onto the lenses of the glasses.
   The Tokyo-based NPO launched a project to lend the subtitle glasses to movie theaters around Japan in January 2020. The glasses are available at 85 movie theaters.

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