出井伸之氏死去、84歳 ソニー元社長、IT化推進
ソニー(現ソニーグループ)の社長や会長を歴任した出井伸之(いでい・のぶゆき)氏が2日、東京都内の病院で死去した。ソニーグループが7日発表した。84歳だった。東京都出身。葬儀は近親者で済ませた。後日「しのぶ会」を開く。2000年から05年まで会長兼最高経営責任者(CEO)を務め、経営の多角化を進めた。
早大政経卒。1960年にソニーに入社し、95年社長就任。社長在任中、音響・映像(AV)機器とITの融合を目指して「デジタル・ドリーム・キッズ」をスローガンに掲げ、96年に家庭用パソコン「VAIO(バイオ)」を発売。映画、音楽事業を拡大させたほか、インターネット銀行に参入するなど金融事業にも注力した。
しかし、競争激化により薄型テレビなどは不振が続き、主力の電機事業は低迷。05年に業績不振の責任を取る形で退任した。出井氏が手掛けたパソコン事業も14年に売却された。
経営の監督と執行の分離を目的とした執行役員制の導入や、委員会等設置会社への移行など企業統治体制の確立にも尽力した。
欧州駐在が長い国際派として知られ、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の社外取締役を務めたほか、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)にも出席した。
一方、早くからインターネットの重要性に着目。00年には政府のIT戦略会議議長に就任し、ブロードバンド構想を推し進めた。ソニー退任後は企業変革を支援するクオンタムリープ(東京)を設立し、ベンチャー企業の育成も手掛けた。(2022/06/07-18:11)
Ex-Sony Leader Nobuyuki Idei Dies at 84
Former Sony Corp. President Nobuyuki Idei has died, Japanese electronics and entertainment giant Sony Group Corp. said Tuesday. He was 84.
A Tokyo native, Idei, who graduated from Waseda University's School of Political Science and Economics, entered Sony in 1960.
Idei became president of Sony in 1995. He concurrently served as chairman and CEO in 2000-2005.
Sony, which was renamed Sony Group in 2021, diversified its businesses under the leadership of Idei.
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