籠池夫妻に実刑 森友補助金詐取の控訴審―大阪高裁
学校法人森友学園をめぐり国などの補助金をだまし取ったとして、詐欺罪などに問われた理事長籠池泰典(69)、妻諄子(65)両被告の控訴審判決が18日、大阪高裁であった。西田真基裁判長は籠池被告を懲役5年とした一審大阪地裁判決を支持した一方、諄子被告については懲役3年、執行猶予5年とした一審判決を破棄して懲役2年6月の実刑を言い渡した。両被告側は即日上告した。
西田裁判長は、両被告が小学校の建設工事費をできる限り安くしたいと考え、「補助金に固執したことが犯行につながった」と指摘した。
一審判決同様に設計業者との虚偽の契約書作成をめぐる会話内容などから、国の補助金に関する2人の詐欺罪を認定し、「不法領得の意思と故意はない」とした無罪主張を退けた。
諄子被告は一審で大阪府と大阪市の補助金詐取は無罪とされたが、高裁はいずれも有罪とした。補助金の申請書類上、勤務実態の全くない複数の職員が連続した年度で含まれていたことなどを踏まえ、虚偽申請の認識があったと結論付けた。
判決によると、両被告は建設工事費を水増し申請し、2017年までに国の補助金計約5600万円を詐取。11~16年度、幼稚園の専任教員や要支援児の数を虚偽申告して、府と市の補助金計約1億2000万円をだまし取った。
実刑とされた諄子被告は判決後の記者会見で、「こんなひどいことはない」と嘆いた。籠池被告は「ちゃぶ台をひっくり返すような判決にあきれた」と発言した。
籠池被告は問題発覚後の17年に森友学園理事長を退任したが、今年3月に復帰した。(2022/04/18-19:22)
Moritomo Chief Kagoike, Wife Guilty Again for Subsidy Fraud
Osaka High Court on Monday sentenced Yasunori Kagoike, 69, head of Japanese school operator Moritomo Gakuen, to five years in prison without suspension for fraudulently receiving public subsidies.
Presiding Judge Masaki Nishida also gave a two-and-a-half-year prison term to Kagoike's 65-year-old wife, Junko, also without suspension.
The defense team for the couple had claimed their innocence, saying that they had no intention of receiving the money fraudulently.
Both the defense team and public prosecutors had appealed to the high court in the western Japan city of Osaka after Osaka District Court handed a five-year unsuspended prison sentence to Kagoike and a three-year prison term, suspended for five years, to Junko. The prosecutors had demanded a seven-year prison sentence to both the husband and the wife.
In February 2020, the district court ruled that the couple swindled the Japanese government of some 56 million yen in subsidies in 2016-2017, by padding construction costs for an elementary school.
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