2022.04.12 13:31Nation

さよなら「中銀カプセルビル」 竣工50年、解体始まる―黒川紀章氏代表作・東京

 建築家黒川紀章氏(故人)の代表作の一つで、特異な外観で知られる「中銀カプセルタワービル」(東京・銀座)の解体が12日、始まった。建物の老朽化が進んだためで、竣工(しゅんこう)から50年を経て歴史的な建築物が姿を消す。取り外されたカプセルは今後、国内外の美術館や宿泊施設での活用が検討されている。
 ビルは地上13階建ての集合住宅で、1972年4月に完成。140個のカプセルから成り、各カプセルが独立した住居となっている。カプセルの交換で老朽化を防げるとされ、新陳代謝を意味する建築運動「メタボリズム」の代表的な作品だった。ただ、費用が掛かることなどから、実際には一度も交換されなかった。
 2007年に1度解体が決まったが、リーマン・ショックの影響で白紙に。ビルの保存を希望する所有者らが部屋の購入を進めたものの、昨年3月、ビル敷地の売却が決まった。
 同ビル保存・再生プロジェクト代表の前田達之さん(55)は幼少期からこのビルに憧れ、2010年に1部屋を購入。その後、保存派の所有者らでプロジェクトを立ち上げ、カプセルの補修や見学会の開催を進めてきた。
 建設当時の面影が残る「オリジナルカプセル」や、人気ブランドの家具が置かれたカプセルなどが好評を博し、見学会には最大で月600人ほどが訪れた。前田さんも計15部屋を所有して保存を目指したが、建て替えを希望する声が強く、解体されることになった。
 解体後のカプセルについては、世界各地の美術館などから既に80件以上の問い合わせがあるという。取り外しは6月ごろの予定。
 前田さんは「解体は寂しいが、カプセルは残る。今後のカプセルの生かし方を検討していきたい」と話している。(2022/04/12-13:31)

2022.04.12 13:31Nation

Demolition of Tokyo's Iconic Nakagin Capsule Tower Begins


A historic piece of contemporary architecture in Tokyo that has attracted visitors for 50 years is set to disappear as demolition work on the famed Nakagin Capsule Tower began on Tuesday due to age-related deterioration.
   Known for its unique exterior design, the building in the upmarket Ginza district, completed in April 1972, is a 13-story complex made of 140 independent housing module capsules.
   It is one of the masterpieces of the late architect Kisho Kurokawa, a leading figure in the postwar Japanese architectural movement called metabolism.
   Plans are being considered for the capsules that will be removed from the building to be displayed or used at art galleries and accommodation facilities at home and abroad.
   Nakagin Capsule Tower was a symbol of metabolism, built under the concept that the building would remain sustainable through the continual replacement of the capsules. In reality, however, none of the capsules was replaced due to cost and other reasons.

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