対ロシア、中国で結束促す 岸田首相、対面外交を本格始動
岸田文雄首相は、21日までのインド、カンボジア訪問で、対面の首脳外交を本格始動させた。ウクライナに軍事侵攻したロシアに、国際社会が結束して対応する必要性を強調。共通のメッセージを打ち出す一方、温度差も浮き彫りになった。覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、日印と米国、オーストラリアの4カ国による「クアッド」を含め、協力関係の強化も呼び掛けた。
「基本的な方向性や考え方において一致できるかどうかが大事だ。それが確認できたことは大変大きい」。首相は主な外交日程の終了後、ウクライナ情勢をめぐり、プノンペンで記者団にこう成果を強調した。
一連の首脳会談では、ウクライナ情勢の激化を受け、ロシア対応が最大の焦点となった。首相は、インドのモディ首相との間で「力による一方的な現状変更はいかなる地域でも許さない」ことを確認。カンボジアのフン・セン首相とも、即時停戦や軍撤退を求めることで一致した。
今回の訪問国のうち、インドは伝統的にロシアと友好関係にある。岸田首相は、国際社会の対ロ連携にインドをつなぎ留めるため、少人数同士の会談でもウクライナ情勢に大半の時間を割き、モディ氏と談判。記者団に「一歩踏み込んだ連携を確認できた」と胸を張った。
ただ、モディ氏は共同記者発表で一切の言及を避けた。共同声明にもロシアへの名指しの非難はなく、両国の立場の違いがにじんだ。
日本が最も警戒するのは、ロシアの軍事侵攻が中国の動向に影響を与え、アジアの安全保障環境が揺らぐことだ。首相は、5月にも東京で開催予定のクアッド首脳会合に向け、インドとの連携強化を重視。中国と経済的な結び付きが強いカンボジアと併せ、首脳間の信頼関係構築に努めると、会談後は一定の手応えも口にした。
首相は年頭の記者会見で「対面での首脳外交を進めたい」と宣言。米国や豪州への訪問を模索したが、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大で断念した。
今回の外国訪問を契機に、首相は「岸田外交」を加速させたい考えだ。今週も24日にベルギーで開かれる先進7カ国(G7)首脳会合への出席を予定しており、記者団に「ウクライナ情勢に関するインド、カンボジア首脳とのやりとりを、唯一のアジアの代表である日本から報告する」と意欲を示した。(2022/03/22-07:38)
Kishida Urges Int'l Unity over Russia in In-Person Diplomacy
Japanese Prime Minister Fumio Kishida called for international unity against Russia and China in his recent trip to India and Cambodia, which marked the full start of his top-level in-person diplomacy.
While Japan managed to share views with India and Cambodia and issued joint messages, some differences remained in their stances toward Russia and China.
During the trip, Kishida also called for strengthening cooperation among the members of the Quad framework, namely Japan, the United States, India and Australia, with China's hegemonic actions in mind.
"The important thing is whether we can reach an agreement on the basic direction and views" on the Ukrainian situation, Kishida told reporters in Phnom Penh, the capital of Cambodia, after completing major diplomatic events during his trip from Saturday.
"It is significant that we were able to do that," he added.
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