車大手、ロシア生産・輸出停止 制裁で物流混乱、影響拡大
ウクライナに侵攻したロシアに対する経済・金融制裁の影響が自動車メーカーに広がってきた。トヨタ自動車はロシア第2の都市サンクトペテルブルクにある工場の稼働停止を決定。他のメーカーでも、物流、金融の混乱でロシア生産や日本からの輸出を見合わせる動きが相次ぐ。国際社会からロシア事業継続の是非を問われる可能性もあり、各社は事態の行方を注視している。
トヨタは部品を安定供給できなくなっているとして、4日からサンクトペテルブルク工場の稼働を当面停止する。日本などからロシアへの輸出も休止。在庫がなくなれば販売も見合わせる。スポーツ用多目的車「RAV4」とセダン「カムリ」を年間約8万台生産。販売台数は年間約12万台で、ロシア新車市場でのシェアは日本勢首位の約7%という。
プーチン大統領の故郷に建設された工場だけに、2007年12月にカムリ1号車が完成した日にはプーチン氏も工場の視察に訪れた。トヨタは「広く公正な視野で事態を見極めた上で、必要な意思決定をした」と説明している。
三菱ふそうトラック・バス(川崎市)では、親会社の独ダイムラートラックがロシアでの全事業活動をストップ。これに伴い、ふそうの小型トラック「キャンター」の現地生産も止まった。
マツダは、極東ウラジオストクにあるロシアメーカーとの合弁工場への部品輸送をやめる。運ばれた部品を使って完成車を組み立てる工場のため、部品在庫がなくなれば生産は止まる。
ホンダは、ロシアに生産拠点を持たず、輸出をひとまず停止した。
日産自動車も輸出を止めた。サンクトペテルブルクの工場は稼働させているが、「現状が継続する場合、生産停止などに至る事態が予想される」と説明している。三菱自動車は先に、ロシアでの生産・販売を停止する可能性があると公表した。
自動車業界では、部品供給網の混乱長期化への懸念が強い。輸出車両を運ぶコンテナ船の運航にも支障が出ており、現地販売への影響拡大も予想される。欧米企業でロシア事業の見直しが進む中、「ESG(環境、社会、企業統治)の観点からロシアで事業を続けていいのか非常に難しい状況だ」(自動車大手幹部)との声も出ている。(2022/03/03-21:38)
Japanese Automakers Facing Fallout from Russia Sanctions
The impact of international economic and financial sanctions against Russia over its invasion of Ukraine is affecting Japanese automakers' operations.
Toyota Motor Corp. has decided to halt vehicle production at its plant in St. Petersburg, the second-largest city in Russia, citing supply chain disruptions, starting Friday.
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