臨時医療施設、１０００人分追加　東京・大阪知事に首相伝達―１３都県のまん延防止延長へ

　岸田文雄首相は９日、東京都の小池百合子、大阪府の吉村洋文両知事と個別に会談し、新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療逼迫（ひっぱく）への対応を協議した。首相は、東京で６６０人分、大阪で３５０人分の臨時医療施設増設に協力する考えを示し、国として公立病院の看護師を派遣することを伝えた。
　会談は、小池氏とは首相官邸で、吉村氏とはオンライン形式でそれぞれ行われた。
　小池氏は病床逼迫を抑えるため、感染者の療養期間短縮や軽症患者の転院が重要だと指摘。「オミクロン株の特性を踏まえた全体的な方針を明らかにしてほしい」と求めた。首相は３回目のワクチン接種で１日１００万回の目標を掲げたことに触れ、接種加速への協力を要請した。
　また、吉村氏は高齢者施設などで現在、陽性を確認した後でしか使えない抗体治療薬や飲み薬について、「クラスターになる前に対応する必要がある。発熱等の症状があれば使えるよう認めてほしい」と規制の見直しを要請。首相は「現場の問題がよく分かった」と対応を約束した。
　首相は同日、東京など１３都県に適用している「まん延防止等重点措置」について、３月６日まで３週間延長する方針を記者団に表明した。新たに要請のあった高知県も対象に追加し、期間は同様に３月６日までとする。いずれも２月１０日に決定する。
　首相はまた、新型コロナワクチンの職域接種について、予定を前倒しして来週から順次企業や大学にワクチンを配送すると発表した。
　重点措置を延長するのは２月１３日に期限を迎える群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、岐阜、愛知、三重、香川、長崎、熊本、宮崎の各都県。首相は２０日に期限を迎える北海道、青森、福島、石川、長野、静岡、大阪、兵庫、福岡、鹿児島、沖縄など２１道府県の延長について、来週半ばに判断する意向も明らかにした。（2022/02/09-20:33）

Japanese Prime Minister Fumio Kishida said Wednesday that the government will set up additional temporary medical facilities housing over 1,000 novel coronavirus patients in total to deal with the squeeze on medical systems amid the surge in COVID-19 cases.
   Kishida notified Tokyo Governor Yuriko Koike and Osaka Governor Hirofumi Yoshimura of the plan in separate meetings the same day.
   The government will build a temporary medical facility for 660 patients in Tokyo and a facility for 350 patients in the western prefecture of Osaka.
   Later on Wednesday, Kishida is expected to announce an extension to COVID-19 pre-emergency designations for Tokyo and 12 other areas. The designations, to be formally decided on Thursday, will run for an additional three weeks, until March 6.
   The pre-emergency status, originally slated to end on Sunday, will be extended for the prefectures of Gunma, Saitama, Chiba, Kanagawa, Niigata, Gifu, Aichi, Mie, Kagawa, Nagasaki, Kumamoto and Miyazaki, in addition to the Japanese capital.