2022.01.17 21:44Nation

みずほ、企業風土の変革急務 繰り返される大規模障害―新経営陣に重い課題

 みずほフィナンシャルグループ(FG)とみずほ銀行が17日、金融庁に提出した業務改善計画ではシステム障害時の対応力強化や企業風土変革に向けた組織新設などが盛り込まれた。ただ、みずほでは2002年と11年にも大規模な障害が発生。その都度、改革を誓っても繰り返される事態に顧客の視線は厳しい。新経営陣にとっては積年の課題への対応が急務だ。
 ◇「危機」で変革促す
 みずほ銀では昨年2月以降、現金自動預払機(ATM)へのキャッシュカードや通帳の取り込みなど、顧客に影響の及ぶトラブルが相次いだ。6月に再発防止策をまとめたが、8~9月に全国の店舗窓口で取引ができなくなるなどの問題が発生。9月の障害対応時には、取引の遅れを取り戻そうと外為法で定める手続きを省く違反も発覚した。
 金融庁は「止血する必要がある」(幹部)と判断。9月に1度目の業務改善命令を出し、新規サービスのためのシステム更改を一時的に抑制するよう求めた。
 金融庁は11月に出した2度目の改善命令で「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない姿勢」を批判。障害が続発し、対応が後手に回る問題の「真因」に企業風土があると指摘した。短期間に2度の改善命令を出した異例の対応について、同庁幹部は「危機的な状況にならなければこの組織は変わらない」と強調する。
 ◇問われる実行力
 引責辞任する坂井辰史みずほFG社長の後任には木原正裕執行役が昇格する。社外取締役で構成する指名委員会が昨年末から今月上旬にかけて休日返上で議論した末、白羽の矢を立てた。
 指名委の甲斐中辰夫委員長は17日の記者会見で、「社員のやる気を引き出して前に進めるリーダーシップがある」と述べ、現場の声を束ねられる資質を評価。木原氏は「実際に変化を社員に見せることで積極的に行動でき、カルチャー(企業文化)も変わっていく」と意欲を見せた。
 金融機関の事業環境は、長引く超低金利や人口減少による収益圧迫に加え、フィンテック企業など他業態からの参入で競争が激化。生き残りを懸け経営改革は待ったなしだ。
 みずほ銀では度重なる障害発生で顧客離れが起きており、変革へ最後の機会との声も上がる。改善計画で掲げた、経験や記憶を風化させない仕組みを生かし、現場を巻き込んだ改革につなげられるか、新経営陣の実行力が問われている。(2022/01/17-21:44)

2022.01.17 21:44Nation

FOCUS: Mizuho at Crucial Stage of Reforming Corporate Culture


Customers are paying close attention to whether Mizuho Financial Group Inc. and its Mizuho Bank unit will actually be able to make good on their promises to revamp their corporate structures and culture.
   On Monday, the two submitted to Japan's Financial Services Agency plans to improve their operations after regulators reprimanded the megabank group over a series of system failures in the past year.
   Previously, the Japanese megabank group had experienced major system problems in 2002, after its creation through a three-way merger, and in 2011, following the March 2011 earthquake and tsunami in northeastern Japan.
   Despite pledging to reform its operations, the group failed to prevent glitches from recurring. That is why people are increasingly critical of the latest system errors.

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