容疑者、脳に重い障害 刑事責任問えぬ可能性も―大阪ビル放火
大阪市北区の雑居ビルに入るクリニックで25人が死亡した放火殺人事件で、重篤な状態が続いている谷本盛雄容疑者(61)が脳に重い障害を負っていることが27日、捜査関係者への取材で分かった。医療関係者は「重い一酸化炭素(CO)中毒の場合、命を取り留めても意思疎通できない可能性がある」と指摘。大阪府警による事情聴取の見通しは立っておらず、捜査関係者は今後、刑事責任を問えない可能性があるとみている。
事件は17日午前10時20分ごろ、ビル4階の「西梅田こころとからだのクリニック」で発生。谷本容疑者を含め27人が心肺停止状態で病院に搬送され、うち25人が死亡した。死因はいずれもCO中毒に起因。蘇生した2人のうち、谷本容疑者も重度の気道熱傷やCO中毒により、意識不明状態が続いている。
捜査関係者によると、谷本容疑者は内臓などにやや回復も見られるが、脳に重い障害を負っているという。
救急医学に詳しい順天堂大大学院医学研究科の近藤豊准教授は、COが酸素に比べ、血液中のヘモグロビンと約250倍結び付きやすいという特徴を挙げ、「長く吸うほど脳に酸素が行き届かなくなり、深刻な障害が起こりやすい」と指摘する。その上で「命を取り留めても、記憶が失われていたり、会話を通じた意思疎通が困難になったりする可能性が高い」と語った。(2021/12/27-20:42)
Osaka Arson Suspect Suffers Heavy Brain Damage
Morio Tanimoto, the 61-year-old suspect for a deadly arson attack at a mental health clinic in the western Japan city of Osaka earlier this month, suffered severe brain damage in the attack, investigative sources said Monday.
"If he has severe carbon monoxide poisoning, he may not be able to communicate even if he survives," a medical expert said.
The Osaka prefectural police department has no plans for questioning Tanimoto at the moment and it may not be able to file criminal charges against him due to the brain damage, the sources said.
Around 10:20 a.m. on Dec. 17 (1:20 a.m. GMT), Tanimoto allegedly started a fire at the clinic located on the fourth floor of a building in the city's Kita Ward.
The suspect and 26 people were sent to hospital with no vital signs. Of them, 25 were later confirmed dead. Their deaths were attributable to carbon monoxide poisoning.
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