三菱電機、柵山会長が引責辞任 検査不正、背景に「内輪意識」
三菱電機は1日、長崎製作所(長崎県時津町)などで発覚した一連の検査不正問題を踏まえ、同日付で柵山正樹会長が引責辞任したと発表した。柵山氏は経団連副会長も辞任した。公表された外部弁護士による調査報告書は、不正が繰り返された背景として「内輪意識」や「閉鎖的な組織」などを挙げ、企業風土の刷新を求めた。
報告書は不正の原因について「『品質に実質的な問題がなければよい』という安易で誤った正当化が行われていた」と断じた。その上で、「現場の多くの従業員が帰属意識を持っているのは製作所や工場で、三菱電機という会社に対する帰属意識は希薄だった」と、本社との連携不足や事業本部制の弊害を指摘した。
長崎製作所で製造した鉄道車両用空調装置の一部検査結果の捏造(ねつぞう)については、2018年度の点検で当時、担当の事業本部長だった漆間啓社長にも報告されていたと認定した。ただ、長崎製作所の説明を受け入れ、不正とは認識しなかったという。
報告書をとりまとめた調査委員会の木目田裕委員長は記者会見で、一連の不正について「歴代の取締役や執行役の関与、認識は認められない」と述べた。調査委は、全22製作所の品質調査を継続し、22年4月をめどに完了を目指す。
三菱電機は併せて再発防止策を発表。品質風土改革のため、漆間社長直轄の「品質改革推進本部」を新設したほか、同年4月に品質担当執行役を外部から招く。ガバナンス(企業統治)改革に向け、外部弁護士らで構成する「ガバナンスレビュー委員会」も設ける。
レビュー委は、取締役や執行役の経営責任についても明確化する。漆間社長は記者会見で「遅くとも12月までに(責任の所在を)明らかにしていただきたい」と語った。(2021/10/01-21:38)
Mitsubishi Electric Chairman Resigns over Quality Scandal
Mitsubishi Electric Corp. Chairman Masaki Sakuyama stepped down Friday over a series of improper product inspection practices, the company said.
Products affected by the scandal include air conditioners for train cars. Sakuyama also resigned as vice chairman of the Japan Business Federation, or Keidanren.
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