2%物価、実現は困難 みずほリサーチ&テクノロジーズの門間一夫氏
長期金利の0%誘導を柱とする長短金利操作導入から5年。元日銀理事の門間一夫みずほリサーチ&テクノロジーズエグゼクティブエコノミストに評価や先行きについて聞いた。
―長短金利操作への評価は。
この枠組みの本質は金融緩和の強化ではなく、副作用の軽減にある。マイナス金利政策で、金融機関の運用難が深刻化したため、長期金利の過度な低下を防ぐ狙いがあった。
―日銀が掲げる2%の物価目標はいまだに実現できていない。
これまで大規模緩和を続けてきて明らかになったのは、マネーの不足がデフレの原因ではない、ということだ。金融緩和のみで物価を押し上げるのは極めて困難なことが証明された。
―先行きの政策運営は。
今後も2%の物価上昇の実現は見通せず、長短金利操作の出口は見えない。識者の間でも、物価を上げるには財政拡大しかないとの見方が広がっている。
―菅義偉首相が退陣し、新政権が誕生するが影響は。
(アベノミクスから続く)金融緩和路線が後退したと市場が受け止めると、円高・株安などを招くリスクがある。現在の政策運営に国民が不満を持たなければ、誰が後任となっても当面は日銀に政策転換を求めないのではないか。(2021/09/19-07:14)
INTERVIEW: 2 Pct Inflation Hard to Achieve
The Bank of Japan's target of 2 pct inflation is hard to achieve with monetary policy alone, former BOJ executive Kazuo Monma has said.
"What has become clear through the BOJ's continuance of massive monetary easing is that a shortage of money is not the cause of the country's deflation," said Monma, currently executive economist at Mizuho Research & Technologies Ltd.
"It's been proved that it is extremely difficult to boost prices with monetary easing alone," he added.
The BOJ introduced the yield curve control not to strengthen the effects of its monetary easing but to reduce the negative effects, Monma observed.
Its negative interest rate policy made it even more difficult for financial institutions to make money on financial markets, Monma said, explaining that a key purpose of the yield curve control was to prevent long-term interest rates from falling excessively.
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