抑留の歴史は「友好の礎」 資料館長、対日関係に期待―ウズベク
【タシケント時事】中央アジアの旧ソ連構成国ウズベキスタンで日本人旅行者の査証(ビザ)免除から2年弱がたち、シルクロード遺跡など観光地を訪れる人が増えている。ただ、第2次大戦後にウズベクに送られた日本人抑留者の存在はあまり知られておらず、現地では歴史理解を通じた友好関係の強化を求める声が上がっている。
日本人抑留者はウズベクで、オペラハウス「ナボイ劇場」の建設などに携わった。その際の勤勉な働きぶりや地元住民との交流の様子が今日まで伝えられている。
首都タシケントで日本人抑留者の資料館を運営するジャリル・スルタノフさん(75)。資料館で22日、取材に応じ「(抑留の歴史が)両国友好の基礎をつくった。今後はそれを高めていきたい」と述べ、日本人の来訪に期待を表明した。
スルタノフさんは幼少期に聞いた日本人抑留者の話に関心を持ち、1998年に私財を投じて資料館を設立した。「最初は趣味だったが後に仕事になった」という資料の収集は、当時の写真や回想録に至るまで1000点以上になった。
ウズベクでは2016年に改革派のミルジヨエフ大統領が就任し、18年2月に日本人のビザが免除になるなど「3年間で大きく変わった」とスルタノフさん。戦後に高度経済成長を遂げた日本の経験で「ウズベクの『奇跡』にも力を貸してほしい」とインフラ整備などに協力を訴えた。
スルタノフさんによると、ソ連の対日参戦で約60万人が連行されたシベリア抑留では、2万4000人弱がウズベクに送られ、うち約800人が現地で命を落とし、今も日本人墓地が残る。スルタノフさんは16年に訪日し、安倍晋三首相を表敬。同年末には歴史保存を通じて両国の相互理解に尽力したとして、旭日双光章を受章した。(2019/11/25-14:04)
Uzbek Seeks Better Ties with Japan by Understanding of History
A man from Uzbekistan is calling for the strengthening of ties between his country and Japan through understanding history, especially that involving Japanese people who were detained by the former Soviet Union after World War II.
More and more Japanese people are visiting tourist spots in the central Asian nation, including those related to the Silk Road, nearly two years after Uzbekistan allowed Japanese visitors to enter the country without a visa.
Many people, however, are unaware that Japanese prisoners of war were taken to Uzbekistan. The country was part of the now-defunct Soviet Union at the time.
Such detainees were involved in building the Navoi Theater, an opera theater in Tashkent, and other structures.
Stories of such people's diligence and of their interactions with local citizens have been passed down from generation to generation.
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