2021.09.07 07:04Nation

「見捨てないで」日本に救出訴え 退避希望、800人超か―アフガン人協力者

 から米軍が撤退して1週間。イスラム主義組織が実権を握る同国には、日本政府に長年協力してきたアフガン人が取り残され、その数は800人超に上るとみられる。現地での活動歴が長い林裕福岡大准教授の元には、恐怖の中で日本政府に対し「見捨てないで」と訴える悲痛な声が寄せられている。
 「日本政府は共に働いたわれわれを避難させてくれると思った。まだ希望は持っている。どうか助けてほしい」
 国際協力機構(JICA)の現地事務所スタッフを長年務め、昨年契約打ち切りとなったアフガン人男性は林氏にインターネット交流サイト(SNS)でこう伝えた。男性は首都カブール陥落後、居場所を固定しないように親戚や友人宅を転々としている。
 日本政府が国外退避の対象としたのは、在アフガン大使館やJICAの現職スタッフとその家族計約500人。だが、林氏らの聞き取りによると、それ以外にもJICAの元スタッフとその家族350人ほどが日本に救出を求めている。
 この10年、日本の政府開発援助(ODA)削減により事業が縮小。これに伴い契約が満了したスタッフは多い。納税記録がアフガン政府に残っているとみられ、それがタリバン側に渡れば、「外国勢力」や旧政権に協力した者として敵視される恐れがある。生活が比較的裕福だとねたみを買う可能性もある。
 イスラム急進派の間では、日本が支援してきたポリオワクチン接種をめぐり「イスラム教徒を不妊化させるための陰謀だ」というデマさえ出回る。
 既にタリバン兵の戸別巡回が展開され、居場所について近隣住民がただされたというJICA関係者もいる。「彼らは最初のうちは家具や車をせびってくる。そのうち奥さんや子どもを要求してくるかもしれない」と林氏。タリバンが国際社会に見せる「穏健路線」は、末端兵士には浸透していない様子だ。
 官房長官は6日の記者会見で「多くの現地職員が国内に残っており、出国を希望する方は関係国と連携しつつ支援していく」と強調した。しかし、大使館員や自衛隊機が去った今、救出に向けた動きは鈍い。
 林氏は日本の海外支援について、現地の人も同じ作業着を着て平等に扱われる長所があったと指摘。日本政府に対し「できる限り手を広げ、日本に協力したアフガン人は誰も見捨てないというメッセージを出してほしい」と訴える。(2021/09/07-07:04)

2021.09.07 07:04Nation

Afghans Who Supported Japan Projects Plead to Be Evacuated


Afghans who have supported Japanese government projects in Afghanistan in the past are calling on Japan to help them evacuate from their country, where the Taliban has returned to power.
   About a week after the U.S. military withdrew from Afghanistan, over 800 Afghans with links to Japan are thought to be stranded there.
   Yutaka Hayashi, an associate professor at Fukuoka University who has spent a total of six years in Afghanistan, has been receiving heartbreaking messages from such people.
   In a social media message sent to Hayashi, an Afghan man who worked at a local office of the Japan International Cooperation Agency for a long time until his contract ended last year, said that he thought that the Japanese government would rescue people who had been working with it.
   The man said he still has hope that Japan will help him evacuate.

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