ローマ教皇、被爆地から核廃絶演説 「保有、平和への答えにならず」―長崎・広島
来日中のフランシスコ・ローマ教皇は24日、被爆地の長崎、広島両市を訪問した。長崎では「核兵器や大量破壊兵器を所有することは、平和と安定の望みへの最良の答えではない」と世界に向けて核兵器廃絶を求めるメッセージを発信。広島でも「戦争のために原子力を使用することは犯罪だ」と訴えた。
教皇は「広島と長崎から人類は学んでいない」と発言するなど、2013年の就任以来一貫して核兵器廃絶の必要性を呼び掛けてきた。
24日午前、雨が降る中、教皇は長崎市の爆心地公園を訪れた。原爆の犠牲者に対して献花し、約2分間黙とうをささげた。その後、被爆者ら約1000人を前に、スペイン語で核兵器廃絶に向けた演説を行い「この町は、核兵器が人道的にも環境にも悲劇的結末をもたらすことの証人だ」と指摘した。
また、武器の製造や維持に多額の費用が使われていることは「途方もないテロ行為」だと批判。核兵器規制の国際的枠組みが崩壊の危機にあると警鐘を鳴らし、核兵器禁止条約を含め核軍縮と不拡散への取り組みを各国に呼び掛けていく決意を表明した。
さらに、政治指導者に向けて「核兵器は国家や世界の安全保障への脅威から私たちを守ってくれるものではない」と訴えた。
長崎市の西坂公園では、豊臣秀吉のキリシタン弾圧で殉教した「日本二十六聖人」に祈りをささげ、「すべての人に信教の自由が保障されるよう声を上げよう」と呼び掛けた。午後には長崎県営野球場で約3万人の信徒らが参加する大規模なミサを執り行った。
教皇は24日夕、広島市に移動し、平和記念公園で開かれた「平和のための集い」に参加した。集いには宗教関係者や被爆者ら約2000人が出席。教皇は原爆死没者慰霊碑への献花後、被爆者から被爆体験の証言を聞いた。(2019/11/24-20:54)
Pope Francis Calls for Nuclear Arms Elimination in Nagasaki
Pope Francis called for the elimination of nuclear weapons during a visit Sunday to Nagasaki, one of the two Japanese cities devastated by the August 1945 U.S. atomic bombings.
The possession of nuclear and other weapons of mass destruction is "not the answer" to a desire for security, peace and stability, the pope said in a speech at the hypocenter before a crowd of about 1,000 people including hibakusha, or atomic bomb survivors.
Before the speech, Pope Francis laid a wreath of flowers and prayed silently for the victims of the atomic bombing that took place in Nagasaki on Aug. 9, 1945.
He arrived in Japan on Saturday, becoming the first pope to visit the country since the 1981 trip by Pope John Paul II.
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