ベラルーシ選手、亡命希望　「投獄される」と帰国拒否―ＩＯＣに支援訴え

　東京五輪陸上の女子２００メートル予選に２日に出場を予定していた中、本国から帰国を命じられて拒否したベラルーシのクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手（２４）は日本時間１日夜、動画の声明で「国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）に支援を求める」と呼び掛けた。第三国への亡命を希望。母国で紹介されたインタビューでは「ベラルーシで投獄されるかもしれない」と訴えている。
　ツィマノウスカヤ選手は１日、別の選手のドーピング検査をめぐるコーチの不手際をインスタグラムで批判したことから代表を外され、選手村の荷物をまとめて帰国するよう強制されたが、羽田空港で同日夜の便への搭乗を拒否。警察などに保護を求めた。帰国せず、２日にもオーストリアなど欧州に亡命申請する意向と伝えられる。
　人権団体のソーシャルメディアに掲載された動画の声明の中では「私は圧力を受けた」と主張。「同意なく（日本を）出国させられそうになった。だから、ＩＯＣがこの問題に介入することを求める」と述べた。
　一方、母国のスポーツメディアのインタビューでは、コーチから「（陸上競技）連盟やスポーツ省のレベルではなく、さらに上層部の問題になっている」と告げられたと証言。面談したカウンセラーからも脅されたと訴えた。「代表から外されるのは怖くないが、自分の身を案じている。（母国は）もはや安全ではない」と強調した。
　本人はロイター通信に「（５日の）女子１６００メートルリレー予選に出場予定の複数の選手が必要なドーピング検査を受けていなかったことで出場資格を得られず、代わりに自分がリレーのメンバーに不本意に入れられた」と説明。こうした不手際を先にインスタグラムで公表し、本国で怒りを買ったとみられる。（2021/08/02-09:20）

Belarusian Olympian Krystsina Tsimanouskaya has refused an order to fly home issued after her criticism of national coaches and sought help from the International Olympic Committee.
   In a video statement posted on social media by a human rights group Sunday night, the 24-year-old sprinter said she was put under pressure, asking the IOC to intervene as her country tried to take her out of Japan without consent.
   In an interview with a sports media outlet in Belarus, she claimed that her country is no longer safe for her and that she might be jailed there.
   She reportedly plans to seek asylum in a third-party country in Europe, such as Austria.
   At a press conference Monday morning, IOC spokesman Mark Adams said that Tsimanouskaya is safe in Tokyo after spending the night at a hotel with support from Tokyo Games organizing committee staff.