2021.04.26 15:25Nation

変異株拡大、速さ想定外 来月前半に9割超えか―宣言対象地域

 政府が3度目の緊急事態宣言を発令する東京都や大阪府では、新型コロナウイルスの変異株が急速に広がっている。主流は感染力を強める「N501Y」変異を持つタイプで、新規感染者に占める割合は5月前半には9割を超えると予測される。専門家は「拡大速度は予想を超えている」と危機感を募らす。
 自治体は一部のコロナ陽性者に対し、N501Y変異の有無を調べるPCR検査を実施している。厚生労働省によると、20日時点の変異株陽性者は46都道府県の5916人。1週間で1.7倍近くに増えた。主なN501Y変異株には英国型、南アフリカ型、ブラジル型があり、全遺伝情報(ゲノム)解析の結果では英国型が約95%を占める。
 国立感染症研究所によると、N501Y変異株感染者の割合は現在、東京が約3割、大阪・兵庫が約8割と推定される。東京は低いよう見えるが、従来株や別の変異株との置き換わりが「急激に進んでいる」(感染研幹部)。そのため、5月前半には3都府県ともN501Y変異株の占める割合が9割超になるとみられる。埼玉や沖縄でも同様の傾向が予測されるという。
 N501Y変異株に小児が感染しやすい証拠はないが、英国型の場合、1人が平均してうつす人数は従来株より1.3倍多いとの解析結果があり、重症化リスクの高さも指摘される。
 20日夜の厚労省専門家組織の会合に出席した感染症の専門家は「変異株の広がりは予想以上に速かった」と振り返る。「大阪などに『』が適用されたが、『緊急事態』ではないと理解された。危機感が伝わらず、効果はなかった」と指摘した上で「昨年4月に出した緊急事態宣言のように、商業施設などへの休業要請で人の移動・接触を徹底して減らす必要がある。大阪の医療危機は東京でも起こり得る」と警鐘を鳴らした。(2021/04/26-15:25)

2021.04.26 15:25Nation

Coronavirus Variants Raging in Areas Subject to Emergency


Novel coronavirus variants are spreading rapidly in Tokyo and other areas to be placed under Japan's third COVID-19 state of emergency.
   The N501Y mutant strains are forecast to account for over 90 pct of all new infection cases in Tokyo and the western prefectures of Osaka and Hyogo in the first half of May. The spread of the variant is "faster than expected," an expert said.
   Local governments are conducting polymerase chain reaction tests for variants on some people found infected with the coronavirus.
   According to the health ministry, the number of people infected with variants totaled 5,916 in 46 of the country's 47 prefectures as of Tuesday. The figure shot up nearly 1.7-fold in a week.
   The N501Y mutation has been found in British, South African and Brazilian variants. A genomic analysis showed some 95 pct of coronavirus variants in Japan are of British origin.

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