腕時計メーカー、高級品に注力 スマートウオッチと差別化
腕時計メーカーが、高級品に注力する姿勢を鮮明にしている。腕時計型で多機能の情報端末「スマートウオッチ」が数千円から手に入るため、腕時計市場は普及価格帯を中心に打撃を受けている。シチズン時計とセイコーウオッチは、安定需要が見込める機械式時計など高価格帯商品を拡充し、差別化を図る考えだ。
シチズンは、高級ブランド「ザ・シチズン」から、8月に60万~80万円台の腕時計を発売する。電子部品を用いない機械式で、動力源となるムーブメント(駆動装置)を11年ぶりに自社開発して送り出す。時間の誤差を示す平均日差はマイナス3秒からプラス5秒と高精度で、佐藤敏彦社長が「世界に引けを取らない機械式時計」と話す自信作だ。
同社長によると、機械式は「根強いファンがたくさんいる」ため需要が堅調という。同社は今後も50万円以上の商品を強化し、ファンの裾野を広げる戦略だ。
セイコーは、5万円未満の普及価格帯はスマートウオッチのあおりを受けやすいとみて、ブランド力を生かした高級路線を前面に出す。2017年には高価格帯の「グランドセイコー(GS)」をブランドとして独立させ、ラインアップを充実させてきた。1960年の初代モデル発売以来のブランドの歴史や匠(たくみ)の技をアピールし、20年10~12月期のGSの国内売上高は前年同期比で増収を確保した。
一方、カシオ計算機は主力の耐衝撃腕時計「Gショック」シリーズが独自の市場を形成する。樫尾和宏社長は「唯一無二の商品で、市場が縮小しても(販売個数を)伸ばし続ける自信がある」と強調。83年の発売開始から20年3月末までの累計で1億2000万個以上を販売しており、30万円以上の高価格帯まで幅広い品ぞろえで勝負する構えだ。(2021/04/12-13:31)
Watchmakers Focus on High-End Products to Weather Competition
Japanese watchmakers are focusing their efforts on high-end products to differentiate their goods from smartwatches.
The moves come at a time when the market for affordable watches is taking a beating from the popularity of smartwatch devices that are multifunctional and low-cost. Smartwatch prices start at several thousand yen.
Citizen Watch Co. and Seiko Watch Corp. are expanding their lineups of mechanical watches and other high-priced goods that are expected to continue seeing stable demand.
Citizen Watch is slated to release new wristwatch models priced between around 600,000 yen and 800,000 yen under its "The Citizen" luxury brand in August. The mechanical watches do not use electronic parts but employ a movement mechanism that the company developed in-house for the first time in 11 years.
They are highly accurate, with an average daily difference of minus three to plus five seconds. "These are mechanical watches that are on par with products from around the world," Citizen Watch President Toshihiko Sato said.
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