復興「いい絵ができている」　達増岩手知事インタビュー―東日本大震災１０年

　岩手県の達増拓也知事は１９日、東日本大震災から１０年を迎えるのを前に報道各社のインタビューに応じた。復興状況については「かなりいい絵ができている」と評価。心のケアやコミュニティーづくりの支援などを今後の課題に挙げた。
　―復興の現状は。
　県内の沿岸市町村で最大時の避難者が５万４０００人。その方々が１０年で恒久住宅に移ることができ、住まいの再建ができた。防災施設は８４．３％完了し、できるだけ早く完成させなければならない。
　日々利用する施設は、基本的なインフラができ、新しい経済活動、社会活動のノウハウも積み重なり、県外の人との新しいつながりもできた。復興の目指す姿である「命を守り、海と大地と共に生きるふるさと岩手・三陸の創造」についてはかなりできた。復興はいわば絵のようなもの。数字にするのは難しいが、かなりいい絵ができていると思う。
　―今後の課題は。
　心のケアやコミュニティー形成支援、なりわいの再生だ。２０１１年３月１１日以降に起きた漁獲量の大幅減少や新型コロナウイルスの流行、消費税率引き上げに伴う景気低迷といったことでの売り上げの減少、低迷などの課題がある。復興１１年目の新しいステージの中で対応していく必要がある。
　心のケアは時間の経過に従って複雑、多様化している。中長期的な取り組みが必要なので、国に事業の補助を求めつつ、被災者一人ひとりに寄り添った支援をしていきたい。
　―「復興五輪」実現に向けては。
　新型コロナ対策を最重要視するような体制で、東京五輪・パラリンピック組織委員会と自治体が力を合わせてやっていくことが基本。できるだけ予定していたことが予定通りできることを望むが、急なクラスター（感染者集団）の発生などトラブルがあれば、その都度感染対策を優先させないといけない。（2021/02/20-07:37）

Takuya Tasso, governor of Iwate Prefecture, one of the northeastern Japan prefectures hit hard by the March 11, 2011, earthquake and tsunami, is pleased with the current status of reconstruction, describing achievements as a "good picture."
   "Reconstruction is like a picture," Tasso said in a recent interview. "It's difficult to quantify it, but I think a very good picture is being made," he said of recovery from the disaster.
   Tasso said that basic infrastructure for daily use has been built, connections with people outside the prefecture have been created and know-how regarding new economic and social activities has been accumulated.
   The prefectural government has largely achieved its reconstruction goal of creating a region that will protect lives and allow people to live with the sea and the earth in a harmonized way, Tasso said.
   He said that the number of evacuees from coastal areas totaled as many as 54,000 at one point, but that they have moved to permanent residences over the decade. The governor said that 84.3 pct of disaster management facilities have been complete.