矢吹、示した兄の貫禄=減量苦減り、増した力―ボクシング・IBFフライ級

まばゆいリングの中央で、矢吹は拳を掲げた。一つ下のライトフライ級王座を保持したまま挑んだ異例の一戦。ぜいたくに両肩からベルトを2本ぶら下げ、「気にしていない。強い選手に勝ったというだけ」と笑った。
技に力が乗った。1回に小さな左フック、2回に右強打でダウンを奪う。途中、相手の頭が当たって右頬から流れた血の影響で視界がぼやけ、右足もつりかけた。「弱気になったら駄目。思い切っていこう」。12回にダウンを奪い、ラッシュをかけて決めた。
身分は王者だが、この試合では挑戦者。心身とも万全に整っていた。体脂肪率5%という筋肉質の体は減量が厳しく、以前は岩盤浴で倒れたほど過酷。今回は計量前日でもゼリー飲料を口にできた。「絶対に体重を落とせる」という自信があり、練習の質も強度も上げることができた。
5月には弟の力石が世界初挑戦。二人ともリングネームの姓はボクシング漫画「あしたのジョー」の登場人物から取り、競うように腕を磨いてきた。矢吹が「弟にバトンは渡した」と言えば、セコンドに入った力石は「夢の兄弟同時世界王者に王手をかけた」。世界の頂から、兄の貫禄を示した。
[時事通信社]

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