2025-03-29 16:36スポーツ

坂本、揺らぐ強さ=悔しさ「一番」―世界フィギュア

女子フリーの演技を終えた坂本花織=28日、米ボストン(ロイター時事)
女子フリーの演技を終えた坂本花織=28日、米ボストン(ロイター時事)

 女子史上5人目の4連覇を逃した坂本は新女王リュウと抱き合い、涙した。勝者をたたえる気持ちの後に「今までで一番」という悔しさも込み上げた。「泣いても泣いても涙が止まらない」。何度も目元を拭った。
 SP5位から逆転を狙ったフリー。演技直後は「自分でもよく頑張ったな」との手応えを感じたが、回転不足と判定されたジャンプがあった。表現力や芸術性を評価する演技構成点も、坂本にしては伸びなかった。地元米国のリュウにSPに続いて完璧に滑られては、敗北はやむなしだった。
 今季はグランプリ・ファイナルで3位にとどまり、冬季アジア大会も勝てなかった。4回転などの高難度ジャンプを跳ばなくても完成度の高さでリードする強さが揺らぎ、ロシア勢除外が続く中で世界女王の座も手放すことに。中野園子コーチは「今年は練習が足りなかった部分がある。他の人たちも走り続けている」。重圧を思いやりつつ、厳しい言葉も口にした。
 坂本は「追いかける立場になれたのは大きい」と言い、挑戦者としての再出発を誓う。2022年北京五輪銅メダリスト。来年のミラノ・コルティナ五輪で頂点を目指すなら、何かを変えるしかない。(ボストン時事)
[時事通信社]

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