対ロ防衛強化へ改憲案可決=「過去最大の債務計画」実行―ドイツ下院
【ベルリン時事】ドイツ連邦議会(下院)は18日、対ロシア防衛強化の財源確保に向けた基本法(憲法に相当)改正案を採決し、3分の2以上の賛成で可決した。ドイツはウクライナへの軍事支援拡充や安全保障面での米国への依存低減を急ぐ方針だ。
改正案は、国防費のうち国内総生産(GDP)比1%を超過した分と、新設する5000億ユーロ(約80兆円)のインフラ基金について、国債発行を抑制する財政規則の例外とする内容。起債額は今後十数年で計1兆ユーロ(約160兆円)規模に達し、「過去最大」(有力紙)の債務計画と呼ばれる。財政規律に厳しいドイツでは異例の政策だ。
改正案は、2月の総選挙を受けて連立協議中の保守野党連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と中道左派与党の社会民主党(SPD)が提出した。下院を通過後、21日に開かれる連邦参議院(上院)の承認を経て成立する。
総選挙の結果を反映した新議会は招集されておらず、改正案は選挙前の構成の議会で審議された。新議会では、第2党に躍進した極右「ドイツのための選択肢(AfD)」など改正否定派の左右両極政党が議席の3分の1以上を占める見通しで、改正要件である3分の2の賛成を得ることは難しい。このためCDU・CSUとSPDは、駆け込みで現議会での可決を目指した。
[時事通信社]
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