米ロ、停戦交渉開始で合意=トランプ氏、プーチン氏と対面会談意欲―ウクライナ侵攻新局面に
【ワシントン時事】トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は12日、電話会談し、ロシアが侵攻を続けるウクライナでの停戦に向け、交渉を開始することで合意した。米ロ首脳が戦闘終結を目指す方向で足並みをそろえたことで、24日に開始から3年を迎える戦争は新たな局面に突入する。
「非常に生産的な電話だった」。トランプ氏は自身のSNS上でプーチン氏との協議を興奮交じりにこう振り返った。「ロシアとウクライナの戦争で大勢の人が死ぬのを止めたい」との認識で一致。相互訪問を通じて緊密に協力することも確認した。
トランプ氏は会談後、記者団に対し、プーチン氏とサウジアラビアで対面会談する可能性を示唆した。侵攻開始以来、米ロ首脳の対面会談はなく、実現すれば関係修復に向け大きく前進する上、停戦交渉の弾みとなる。
ロシア側の発表によると、電話会談は約1時間半続いた。プーチン氏は「持続可能な解決は平和的な交渉を通じてのみ達成できる」と強調し、戦闘終結を目指すトランプ氏の考えに支持を表明。モスクワ訪問も招請したという。
交渉の焦点には、ロシアの占領地の返還やウクライナの安全の保証などが挙がる。ただ、トランプ氏はこの日、2014年のロシアによるクリミア半島併合以前の状態にウクライナが領土を回復する可能性は低いと明言。さらにウクライナが求める北大西洋条約機構(NATO)加盟は「現実的ではない」と切り捨てるなどロシア寄りの姿勢を見せた。
他方、ウクライナのゼレンスキー大統領は停戦交渉が米ロ主導になることを警戒する。12日にはトランプ氏との電話会談後、「ロシアの侵略を阻止し、永続的で信頼できる平和を確保する次のステップを計画している」と述べたが、先行きには暗雲が漂う。
ゼレンスキー氏は14日、ドイツのミュンヘンでバンス米副大統領らと会談する予定。「後ろ盾」だったバイデン前政権とは打って変わり、ロシアに接近するトランプ政権を相手にどこまで支援を引き出せるか試されそうだ。
[時事通信社]
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