石破首相、安倍派参考人招致に慎重=日朝交渉に意欲―衆院予算委
石破茂首相は31日の衆院予算委員会で、自民党派閥の裏金事件を巡り、旧安倍派の会計責任者だった松本淳一郎氏の参考人招致について「慎重であるべきだ」と述べた。松本氏が民間人であることや、検察の捜査が終結していることを理由に挙げた。
同委は30日、松本氏の招致を野党の賛成多数で議決した。立憲民主党の奥野総一郎氏が31日、首相から松本氏に出席を促すよう求めたのに対し、首相は「本人の判断が分からない時点で『出なさい』と言う立場にない」と述べるにとどめた。
首相は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との交渉に意欲を示した。日本人拉致や核・ミサイル問題の解決を図るため、「正恩氏に対してきちんとした交渉を行う」と強調。「時期はこれから適切に判断する」と話した。
拉致問題解決に向け、東京と平壌に連絡事務所を設置するとの持論については、「それなりに有効だと思うが、反対意見もよく検証しなければならない」と語った。
選択的夫婦別姓を巡り、首相は「(旧姓の)通称(使用拡大)の法的整備で解決しない問題があることは承知している」と説明。「いつまでも引きずってよいとは思わない。論点を整理し、解を出すことに政府も責任を持つべきだ」と唱えた。
首相は今年が戦後80年の節目であることに関し、戦争に至った過程などを改めて検証する機会になるとの見解を示した。「なぜ戦争を始めたのか、なぜ大勢が亡くなったのか、戦争の記憶を持っている方々がいるうちに検証するのは80年の今年が極めて大事だ」と語った。首相談話の発出には言及しなかった。立民の長妻昭代表代行らへの答弁。
高額な医療費の自己負担を抑える「高額療養費制度」について、立民の酒井菜摘氏は、8月から患者の負担分を引き上げる政府方針の凍結を要望。首相は「(患者の)意見を丁寧に聞く」と答えた。
[時事通信社]
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