家畜ワクチンで談合認定=動物用医薬品卸2社に排除命令へ―公取委
山形県などが発注する家畜用ワクチンの入札で談合を繰り返したとして、公正取引委員会は独禁法違反(不当な取引制限)で、いずれも動物用医薬品卸の「アグロジャパン」(新潟市)と「小田島商事」(岩手県花巻市)に対し、再発防止を求める排除措置命令を出す方針を固めた。30日、関係者への取材で分かった。
公取委は2社に、合わせて500万円の課徴金納付も命じる。既に処分案を通知しており、意見聴取を経て最終的な結論を出す。
2社と同様に立ち入り検査を受けた「MPアグロ」(北海道北広島市)は、違反認定されたが、課徴金減免制度の適用を受け処分を免れるとみられる。
関係者によると、3社は遅くとも2020年3月以降、山形県と公益社団法人「山形県畜産協会」(山形市)が発注する家畜用ワクチンの入札で、事前に受注業者や落札価格を決めていた。
山形県発注の家畜伝染病「豚熱(CSF)」ワクチンの入札では、3社が順番に受注。同協会の豚熱以外のワクチン入札では、前年度の受注業者が同じ品目を次年度以降も受注できるようにしていたという。
ワクチンの受注価格の下落を防ぎ、利益を確保する狙いだったとみられ、公取委は昨年10月、3社を立ち入り検査していた。
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