PFAS、受検者の87%が米基準超え=血中濃度検査で判明―岡山・吉備中央町
岡山県吉備中央町の浄水場で発がん性が疑われる有機フッ素化合物「PFAS」が検出された問題で、町は28日、昨年実施した公費による初の血液検査の結果を公表した。検査を受けた人の87.4%から代表物質「PFOS」「PFOA」など7種合計で1ミリリットル当たり20ナノグラム(ナノは10億分の1)以上が検出され、米国の血中濃度指標を超えていた。
同日記者会見した山本雅則町長は「思った以上に高いというのが率直な気持ちだ」とした上で、国に対し「指針を出してほしい」と訴えた。
国はPFASの血中濃度に関する基準を定めていない。一方、米学術機関は7種合計で1ミリリットル当たり「20ナノグラム」を超えると健康へのリスクが高まるとの指標を示している。
町の人口は約1万人。血液検査は昨年11~12月、希望した2歳から102歳までの709人に行った。その結果、PFOAの最大値は同718.8ナノグラム、7種平均値の合計は同151.5ナノグラムと、いずれも米国の指標を大きく上回った。
検査結果を分析する岡山大の頼藤貴志教授は、住民に対し「定期的な健診を受け、何か症状があれば医療機関を受診することが重要だ」と呼び掛けた。町は希望する住民の追加検査を行っており、5年後には再検査を実施する予定。
[時事通信社]
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