アウシュビッツ解放80年=追悼式典、犠牲者に祈り―ポーランド
【オシフィエンチム(ポーランド南部)時事】ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を象徴するポーランド南部のアウシュビッツ強制収容所の跡地で27日、1945年の旧ソ連軍による解放から80年の節目を記念した追悼式典が開かれた。生き延びた元収容者らが集い、犠牲者に祈りをささげて、惨禍を繰り返さないと誓った。
午前の式典では、ナチスに反対したポーランドの政治犯らを処刑した「死の壁」にバラの花輪とろうそくが手向けられた。元収容者らは付添人に手を引かれたり、つえを突いたりしながら歩き、静かに壁に手を当てた。
ポーランドのドゥダ大統領は声明を発表し「人類史上前例のない出来事だった。決して繰り返されないよう、われわれはこの記憶を大切にする」と述べた。午後の追悼行事には、ショルツ独首相や英国のチャールズ国王ら外国要人が参列する。
イスラエルのネタニヤフ首相は、多くの市民の犠牲を伴ったパレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの戦闘を巡り、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ており、参加を見送る。「解放者」であるロシアは、ウクライナへの侵攻を理由に3年連続で招かれなかった。
ナチスはユダヤ人を劣った人種と見なして絶滅を計画。40年6月に稼働を始めたアウシュビッツ収容所は中核的な役割を果たし、45年1月27日の解放までに、非ユダヤ人の戦争捕虜や少数民族ロマらを含む約110万人が、強制労働やガス室などで命を奪われた。
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