トランプ氏暗号資産、調査要求=消費者保護に懸念―米民主党議員
【シリコンバレー時事】トランプ米大統領一族企業の関連会社が発行した同氏公式の暗号資産(仮想通貨)を巡り、上下両院の民主党議員2人が23日までに、証券取引委員会(SEC)などに調査を求めた。トランプ氏が規制を担う立場にあることから、消費者保護や利益相反に関して懸念を示している。
ウォーレン上院議員らは、SECや政府倫理局などに送った書簡で、暗号資産「$トランプ」と妻メラニアさんの「$メラニア」は決済にも使えず「(投機により)スロットマシンと同様にリスクをはらむ」と指摘。被害に遭っても提訴できないと記した規約も問題視した。
また、二つの暗号資産の取引の活況により、一族企業は20日までに5800万ドル(約90億円)の手数料を得たとの推計も紹介。トランプ氏が当局トップの指名権を持つため「避けられない利益相反を生んでいる」と非難した。
「$トランプ」は17日に取引が始まり、時価総額は一時150億ドルに達した。トランプ氏側が発行数の80%を保有し、市場で取引されているのは20%。ウォーレン氏らは、値上がりによってトランプ夫妻の資産が580億ドルに膨れ上がったとし、「大統領職によって莫大(ばくだい)な利益を手にすることを可能にした」と批判した。
[時事通信社]
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