2025-01-24 13:29経済

日銀、0.5%に利上げ=17年ぶり水準―金融政策決定会合

日銀本店に入る植田和男総裁=24日午前、東京都中央区(代表撮影)
日銀本店に入る植田和男総裁=24日午前、東京都中央区(代表撮影)

 日銀は24日、金融政策決定会合を開き、政策金利である短期金利(無担保コール翌日物レート)の誘導目標を現行の「0.25%程度」から「0.5%程度」に引き上げることを決めた。2008年以来、約17年ぶりの水準となる。今年の春闘でも高水準の賃上げ継続が期待でき、賃金と物価がともに上昇する「好循環」が引き続き強まっていくと判断した。
 声明文では「2%の『物価安定の目標』の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切である」と説明。「(経済・物価の)見通しが実現していく確度は高まってきている」との見解を示した。
 利上げを決めるのは昨年7月以来、半年ぶりで、同3月のマイナス金利政策解除から数えて3回目。トランプ米新政権の発足後、金融市場で大きな混乱が生じなかったことも、追加利上げを後押しした。
 利上げには9人の政策委員のうち、8人が賛成、中村豊明審議委員は反対した。植田和男総裁は24日午後に記者会見し、決定内容を説明する。
 日銀は同時に最新の景気予測「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」も公表。消費者物価指数(生鮮食品を除く)上昇率は、24年度は前年度比2.7%(昨年10月予想2.5%)、25年度は2.4%(同1.9%)、26年度は2.0%(同1.9%)と、前回リポートからそれぞれ上方修正した。コメの価格上昇や円安に伴う輸入物価の上振れを踏まえた。
 その上で、見通し期間後半には、2%の物価目標と「おおむね整合的な水準で推移する」と分析。声明文では、経済・物価が見通しに沿って推移すれば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」とし、今後も利上げ路線を継続する姿勢を明確にした。 
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集