左翼ゲリラ間の衝突再発、80人死亡・数千人避難 コロンビア
【ティブー(コロンビア)AFP=時事】内戦の和平プロセスが停滞しているコロンビアで、左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」が攻撃を再開し、19日にまでに民間人を含む80人以上が死亡、4日間で数千人が避難を余儀なくされた。≪写真は、コロンビアのノルテデサンタンデール県で発生した武装ゲリラ間の衝突から逃れ、川を経由して隣国ベネズエラへ避難しようとする人々≫
19日の当局発表によると、ELNは16日、ベネズエラ国境に近いコカイン栽培地域カタトゥンボで、2017年に武装解除した左翼ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)の残党を標的に攻撃を再開した。ELNとFARCの残党は対立関係にあり、縄張り争いが再燃した形だ。
ノルテデサンタンデール県の知事によると、19日までに巻き込まれた民間人80人以上が死亡。軍はカタトゥンボに兵士約5000人を配備した。
数百人が同県ティブに避難した他、国境を越えてベネズエラに避難した民間人もいる。
この中には政治的・経済的混乱が原因でコロンビアへ逃れていたベネズエラ難民も含まれており、ベネズエラ政府は数百家族を対象に「コロンビアから避難した民間人を支援する特別作戦」を開始したと発表した。
かつて西半球最大のゲリラ勢力だったFARCは、半世紀以上にわたる内戦の後、2016年の和平協定締結により武装解除した。
だがこの協定は、FARCの残党やELNを含む左翼ゲリラ、右派準軍事組織、さらに麻薬カルテルが、資源や麻薬密売ルートをめぐって繰り広げる暴力を終息させるには至らなかった。
グスタボ・ペトロ大統領は17日、「完全な平和」を目指して進めていたELNとの交渉を停止すると発表した。【翻訳編集AFPBBNews】
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