簡裁書面、虚偽申告で取得=詐欺被害金の強制執行図る―都内コンサル会社
東京都内のコンサルティング会社(品川区)が、詐欺被害回復のために凍結された銀行口座から資金を引き出す目的で、東京簡裁に口座の名義人へ貸し付けがあると虚偽の申告をし、強制執行が可能となる「支払い督促」の書面を得ていたことが20日、関係者への取材で分かった。同社側は貸し付けはなく、「ダミー債権だった」と認めたという。
強制執行は、資金の貸し手側の申し立てによって、借り手の財産を強制的に差し押さえ、回収する手続き。
関係者によると、神奈川県内の60代男性は2023年、投資詐欺被害に遭い、計1億2400万円を20口座に振り込んだ。警察に相談した結果、振り込んだ資金の一部は3人のベトナム人名義の口座に移転されたことが判明し、凍結された。
コンサル会社は24年、3人への各10万円の貸付金が返済されていないとして、同簡裁から支払い督促の書面を取得。強制執行を東京地裁に申し立て、認められた。
ただ、不審に思った銀行側が応じなかった上、男性の代理人弁護士らの調査で、貸し付けが行われたとされる時期に、3人は出国して日本にいなかった事実が判明。同地裁の別の裁判官が執行停止の決定を出した。
[時事通信社]
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